ヒルマ・アフ・クリントについて知れる書籍や映画を紹介
目次
ヒルマ・アフ・クリントとは?
ヒルマ・アフ・クリント(Hilma af Klint、1862年10月26日 - 1944年10月21日)は、スウェーデンの画家です。スピリチュアリズムや神秘主義の影響を受け、所謂抽象絵画の先駆者とされることもある画家です。彼女の作品は、20世紀初頭に制作されたにもかかわらず、死後20年は作品を公開しないよう言い残し、長い間知られていませんでした。ですが、2010年代になってからニューヨークのグッゲンハイム美術館での回顧展で、同館史上最高の約60万人が来場されたりし、再評価されるようになりました。
ヒルマ・アフ・クリント は、スウェーデンの画家、神秘主義者。彼女の絵は最初期の抽象絵画の一つとされ、カンディンスキーやモンドリアンの絵を想わせるが、彼らに先行し、死後20年は作品を公開しないよう言い残し、長い間知られてこなかった。「5人 」というグループに属し、図形にも似たその絵は複雑な哲学的思考を描写したものである。
この記事では、ヒルマ・アフ・クリントについて知れる書籍や映画を紹介していきます。
ヒルマ・アフ・クリントについて知れる書籍
ヒルマ・アフ・クリント展 図録
2025年に東京国立近代美術館で開催されたヒルマ・アフ・クリント展の図録になります。ヒルマ・アフ・クリントの作品を一覧してみれるのはもちろん、彼女の生涯や作品の背景なども知れる内容になっています。岡﨑乾二郎の論考や、アフ・クリントの講演草稿、彼女が作品を託した甥エリク・アフ・クリントの1967年に執筆した回想などの資料など内容が充実しています。
カバー表紙裏には、神殿のための絵画シリーズが一覧できるようになっており、いかにアフ・クリントがシリーズの一貫性を持って制作していたのかがわかります。図録なので、現在は手に入りにくいかもしれませんが、中古で見つけてみてください。
ヒルマ・アフ・クリント 色彩のスピリチュアリティ
日本語で、ヒルマ・アフ・クリントについて知れる書籍は、港千尋著の「ヒルマ・アフ・クリント 色彩のスピリチュアリティ」になります。アフ・クリントとスピリチュアリズムは切り離して考えることはできません。作品のなかで繰り返し登場する要素(記号・文字・色など)の意味など、彼女の制作の背景を知ることができる内容になっています。アフ・クリントの作品を理解するために、スピリチュアリズムについても知る必要があると思うので、スピリチュアリズムについても解説されているのはありがたいです。
書籍に図板が少ないので、図録などと併せて読むのがおすすめです。著者のWeb連載「ヒルマ・アフ・クリントへの旅」もおすすめです。
また、本書の参考文献は下記のサイトにまとめているので、そちらも参考にしてみてください。
関連サイト(外部サイト)
「ヒルマ・アフ・クリント 色彩のスピリチュアリティ」の参考文献一覧
美術手帖 2025年04月号
美術手帖 2025年04月号は、ヒルマ・アフ・クリントの特集号になります。図録よりも詳細な、代表作の解説や、アフ・クリントの評伝を書いた美術史家ユリア・フォスへのインタビューなどの論考が掲載されています。また、岡﨑乾二郎×三輪健仁「ヒルマ・アフ・クリントを見るとは、どのようなことか?」という対談が面白いです。アフ・クリントの作品を理解するとは、美術史にとってどのような意味があるのか考えさせられる対談になっています。
ヒルマ・アフ・クリントについて知れる映画
ヒルマ
ラッセ・ハルストレム監督によるヒルマ・アフ・クリント半生を描いた映画になります。どこまでが史実に基づいているかは分かりませんが、ドラマ仕立てで彼女の少女時代から描かれています。
科学者・理系の家庭、幼くして亡くなった妹、盲目になった母親の看護などの家族関係、最初のパートナーでもある友人のアンナ・カッセルや、母の看護をしていたトマシーヌ・アンデションとのその後の関係など映画で描かれます。
この時代のスウェーデンの雰囲気、衣装の再現も素晴らしいです。ヒルマ・アフ・クリントを知るための入門として、この映画を観るのもいいと思います。彼女は、大きな螺旋の神殿で作品が展示されることを望んでいました。大きな螺旋があるNYのグッゲンハイム美術館での回顧展での大盛況を、ヒルマはどう思うのだろうか。そんなことを考えてしまう映画でした。
見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界
キュレーター、美術史家、遺族などの証言を中心にしたドキュメンタリー映画となります。自分はこの映画でヒルマ・アフ・クリントのことを知りました。
テーマとしては、これまでの男性中心的な美術史という制度の問題を大きく扱っているように思う。美術手帖の岡﨑乾二郎×三輪健仁の対談で語っていたように、アフ・クリントを既存の美術史上に位置づけるには、美術史そのものをアップデートする必要があるだろうと本作を観ると感じる。
その他には展示や図録に無い作品がみれたりします。感慨深いのは、彼女が残した絵が、気温差の大きい劣悪な倉庫で保管されていたなどの証言があり、こうして100年前以上の作品が残って私たちが観れることのすごさを感じました。
本作では、スピリチュアリズムや女性5人での交霊会などの神秘学や交流関係についてはあまり語られていないように感じるので、先述の「ヒルマ」の映画や、関連書籍を読んでからこのドキュメンタリーを観ることをおすすめします。
まとめ
ヒルマ・アフ・クリントについて知れる書籍や映画を紹介しました。ヒルマ・アフ・クリントの作品は、スピリチュアリズムや神秘主義の影響を受けているので、彼女の作品を理解するためには、スピリチュアリズムや神秘主義についても知る必要があると思います。そういった関連書籍も紹介できればと思います。


