「TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる」を読んだので紹介

Zettelkasten(ツェッテルカステン)について学びたかったので、TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになるを読んだ感想です。
読んだ経緯
以前、クリエイティブプログラマーという本を読んだ時に、Zettelkasten という手法を編み出したニクラス・ルーマンのことを知りました。
この本をきっかけに、ニクラス・ルーマンや Zettelkasten の手法について知りたいと思い、日本語で Zettelkasten について唯一紹介されている本書を読みました。
TAKE NOTES!の紹介
本書は、58 冊の本と数百本の論文を執筆した社会学者のニクラス・ルーマンが編み出したメモ術「Zettelkasten」について紹介しています。
本書全体を通じて、メモを取ることの重要性と、そのうえで自分の言葉で考える方法といったものを学びました。メモをたくさん貯めることで、その中から関連を繋ぐことで自分だけの新しいアイデアを発見することができるようになるでしょう。

ニクラス・ルーマン は、ドイツの社会学者。1960年代にドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマス(フランクフルト学派)との論争で日本でも知られるようになった。
メモを続けるには?
自分の言葉でメモを取ることが重要なのは理解できましたが、どのように続けられるでしょうか?
何かをやり続けるには、強い意志力と抵抗に打ち勝つのではなく、最初から抵抗を発生させない環境・ワークフローを作ることが大切だと本書では書かれています。
そのためのワークフローとして、Zettelkasten の手法を紹介しています。最終的に Zettelkasten の手法を使うことで、アウトプットできるレベルの洞察を得ることに向けて合理的になれます。
どのようにメモするか?
メモを取る環境を整備して、どのようにメモをとればいいでしょう?
本書で紹介している Zettelkasten には、以下の 3 つのメモの取り方があります。
- 走り書きのメモ
- 文献メモ
- 永久保存版のメモ
ここで、自分が大事だと思ったのは「文献メモ」についてです。
文献メモ
自分は以前から、アナログのメモ帳で読書メモを取っていたのですが、文章の引用をメモしているだけで、あまり自分の身になってたり覚えられたりしていないという実感がありました。
本を読んで印象に残る・ためになったから、メモしていたのですが、ただ、文章を引用して書き写すだけでは、自分の言葉で考えて思考を深めたりしていません。
本書では、文献を読んだ時に書く「文献メモ」には、思考するために自分の言葉で書くことが大切だと書かれています。
自分の言葉で書くとは、読んだ内容の意味、さまざまな問いに与える情報、他の知識とどのように繋げることができるかをじっくり考えることにほかならないです。
その情報の知識を増やし繋げるために、有用なメモを貯めるのが大切だと感じました。
書くことは「写す」ことではなく「翻訳する」こと(p189)
「翻訳」は、ある言語で書かれたものを、別の言語で同じ意味になるように書き換える行為を指します。同様に、本の主旨を自分の言葉でまとめることは、読んでいる内容を理解するための最善の方法になるでしょう。
AI の活用について
Obsidian と Zettelkasten について調べたりすると、よく Gemini などの AI を活用する方法が紹介されています。確かに走り書きなどのメモを AI を活用して、永久保存版のメモにまとめ上げることは可能ですし、効率がいいのかもしれません。
ただし、そのような AI の活用だと自分の言葉で考えてまとめる力がつかないでしょう。AI 時代に本書を読み、そのことを気づかせてもらいました。Zettelkasten の文脈で AI を活用することを謳っている方には気をつけたいものです。
とはいえ、自分は普段はエンジニアの職なので、自分の思考を楽にしない方法での AI の活用方法を模索していきたいとも考えています。
まとめ
Obsidian をはじめるきっかけになったTAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになるの紹介と感想を書きました。
メモを貯め続けた結果、自分がどう変化するのか期待したいと思います。
↓Obsidian をはじめてみた記事