「TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる」を読んだので紹介

「TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる」を読んだので紹介

目次

Zettelkasten(ツェッテルカステン)について学びたかったので、TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになるを読んだ感想です。

読んだ経緯#

以前、クリエイティブプログラマーという本を読んだ時に、Zettelkasten という手法を編み出したニクラス・ルーマンのことを知りました。

Amazon商品情報から引用
Amazon商品情報から引用

この本をきっかけに、ニクラス・ルーマンや Zettelkasten の手法について知りたいと思い、日本語で Zettelkasten について唯一紹介されている本書を読みました。

TAKE NOTES!の紹介#

本書は、58 冊の本と数百本の論文を執筆した社会学者のニクラス・ルーマンが編み出したメモ術「Zettelkasten」について紹介しています。

本書全体を通じて、メモを取ることの重要性と、そのうえで自分の言葉で考える方法といったものを学びました。メモをたくさん貯めることで、その中から関連を繋ぐことで自分だけの新しいアイデアを発見することができるようになるでしょう。

ニクラス・ルーマン
ニクラス・ルーマン

ニクラス・ルーマン は、ドイツの社会学者。1960年代にドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマス(フランクフルト学派)との論争で日本でも知られるようになった。

Wikipedia

メモを続けるには?#

自分の言葉でメモを取ることが重要なのは理解できましたが、どのように続けられるでしょうか?

何かをやり続けるには、強い意志力と抵抗に打ち勝つのではなく、最初から抵抗を発生させない環境・ワークフローを作ることが大切だと本書では書かれています。

そのためのワークフローとして、Zettelkasten の手法を紹介しています。最終的に Zettelkasten の手法を使うことで、アウトプットできるレベルの洞察を得ることに向けて合理的になれます。

どのようにメモするか?#

メモを取る環境を整備して、どのようにメモをとればいいでしょう?
本書で紹介している Zettelkasten には、以下の 3 つのメモの取り方があります。

  • 走り書きのメモ
  • 文献メモ
  • 永久保存版のメモ

ここで、自分が大事だと思ったのは「文献メモ」についてです。

文献メモ#

自分は以前から、アナログのメモ帳で読書メモを取っていたのですが、文章の引用をメモしているだけで、あまり自分の身になってたり覚えられたりしていないという実感がありました。

本を読んで印象に残る・ためになったから、メモしていたのですが、ただ、文章を引用して書き写すだけでは、自分の言葉で考えて思考を深めたりしていません。

本書では、文献を読んだ時に書く「文献メモ」には、思考するために自分の言葉で書くことが大切だと書かれています。

自分の言葉で書くとは、読んだ内容の意味、さまざまな問いに与える情報、他の知識とどのように繋げることができるかをじっくり考えることにほかならないです。

その情報の知識を増やし繋げるために、有用なメモを貯めるのが大切だと感じました。

書くことは「写す」ことではなく「翻訳する」こと(p189)

「翻訳」は、ある言語で書かれたものを、別の言語で同じ意味になるように書き換える行為を指します。同様に、本の主旨を自分の言葉でまとめることは、読んでいる内容を理解するための最善の方法になるでしょう。

AI の活用について#

Obsidian と Zettelkasten について調べたりすると、よく Gemini などの AI を活用する方法が紹介されています。確かに走り書きなどのメモを AI を活用して、永久保存版のメモにまとめ上げることは可能ですし、効率がいいのかもしれません。

ただし、そのような AI の活用だと自分の言葉で考えてまとめる力がつかないでしょう。AI 時代に本書を読み、そのことを気づかせてもらいました。Zettelkasten の文脈で AI を活用することを謳っている方には気をつけたいものです。

とはいえ、自分は普段はエンジニアの職なので、自分の思考を楽にしない方法での AI の活用方法を模索していきたいとも考えています。

まとめ#

Obsidian をはじめるきっかけになったTAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになるの紹介と感想を書きました。

メモを貯め続けた結果、自分がどう変化するのか期待したいと思います。

↓Obsidian をはじめてみた記事

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在りし日の印刷現場レポ「印刷に恋して - 松田 哲夫」を読んだ感想
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直近に「タイポグラフィ・ブギー・バック」という本を読んだが、その本では写植からデジタルフォントの時代の変遷を著者の体験から描いたエッセイだった。そこでは本や漫画を読むときに活字のフォントによっての印象の違いが大きいことが述べられていた。

<AmazonLink imageId="61A4CMZGhpL.SY522" linkId="4xuuZIe" title="タイポグラフィ・ブギー・バック: ぼくらの書体クロニクル" author="正木 香子" />

・読書感想 タイポグラフィ・ブギー・バック: ぼくらの書体クロニクル

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公開日:2026-09-19
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ヒルマ・アフ・クリントの絵画が表紙になっている書籍をまとめてみました
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はじめに

画家が描いた絵画が、書籍の表紙デザインに使われることはよくあります。例えば、アンリ・マティスの「イカロス」は書籍の表紙に何冊か使われていますね。

https://togetter.com/li/2677752

最近では、ヒルマ・アフ・クリントの絵画が表紙になっている書籍をいくつか見かけるようになりました。そこで、ヒルマ・アフ・クリントの絵画が表紙になっている書籍をまとめてみます。

祭壇画、グループX No.1

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公開日:2026-06-15
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「「盛り」の誕生 女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識 - 久保 友香」を読んだ感想
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女の子たちがプリクラやアプリなどで、目を大きく加工した写真などを見たことがある人は多いかと思います。

本書では、この「盛り」を「一九九〇年代半ば以降のデジタルテクノロジーの発展により出現した「バーチャル空間」において、日本の女の子の間に広がった、ビジュアルコミュニケーションの行動。」と定義し、この「盛り」が生まれた背景を1990年代の渋谷から生まれたコミュニティから当事者へのインタビューを通して分析しています。

外国から日本の女の子たちに注目が集まる

ある日著者のもとに、フランス本社の化粧会社マーケティング部長の方が訪れる。その方は著者の「なぜ日本の女の子たちはそっくりな顔をしているように見えるか?」という記事を読み興味を持ったという。

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公開日:2026-05-09
更新日:2026-09-16
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「観音像とは何か 平和モニュメントの近・現代 - 君島彩子」を読んだ感想
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以前、宇都宮美術館の企画展のライシテからみるフランス美術のシンポジウムに行った際に、講演者の君島彩子先生の著書が気になっていたので、読んでみました。

また自分は出身が仙台なのですが、小学校の時に「仙台大観音」が校舎から見える位置にあったこともあり、なぜ巨大な観音像が誕生したのかや、観音像そのものについての興味もありました。

ふだん、仏教や歴史にあまり触れる機会がないため、個人的に久しぶりに関連書籍なども含めて知的好奇心が刺激される本でしたので紹介してみたいと思います。

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公開日:2026-04-04
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#仏教
セルフマーケティングと継続力の鬼 「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 第2版」の感想
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どなたかは忘れましたが、自分が技術ブログを作っていた時に、いろいろ他の人の技術ブログを見ていて、この本キッカケで技術ブログを作成したという人がいて、ずっと気になってた本をようやく読めたので感想を書きます。

どんな本か

書籍のタイトルにあるように、ソフトウェア開発者向けの本ではあるのですが、不動産投資などの資産形成の話や健康の話なども書かれています。

この本は、いいソフトウェア開発者になるための方法を教えてくれる本でもあり、キャリアのマネジメント、目標の達成、人生の楽しみ方について書かれています。ソフトウェアについての本なのに、人生の楽しみ方についても触れられているのは、著者のジョン・ソンメズさんが、33歳で早期引退(FIRE)したことにも影響しています。

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公開日:2026-03-30
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UDデジタル教科書体開発物語「奇跡のフォント」を読んだので感想
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この本の著者である高田裕美さんと UD デジタル教科書体については、以前 Youtube の SCIENCE CHANNEL(JST)での動画ニュースで紹介されていて知りました。

<Youtube videoId="1JcXa2u7kX0" />

ちょうどフォントについてや、書体デザイナーについても興味があるので、この本を読んでみました。

文字を読むことに苦労している子どもたちがいる

ロービジョン(弱視)やディスレクシア(発達性読み書き障害)といった症状があることを知っていますか?私は、この本で初めて知り、教科書が読めない子どもたちがいることを知りました。フォントによっては、文字が重なってみえたり、ぼやけて見えたり、フォントの装飾が刺さるように感じる人がいる事実に驚きました。

そのような経緯を知り、著者は UD デジタル教科書体の開発を始めます。UD デジタル教科書体は、開発から 8 年を経てリリースされることになるのですが、その様々な経緯などを本書の中盤から書かれていきます。

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公開日:2026-01-21
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#フォント
メモを貯めるためにObsidianをはじめてみました
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最近、TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになるという本を読みました。この本を読んで、Zettelkasten というメモの方法を知り、自分の言葉で考えてメモを書くことの大切さを知ったので、Zettelkasten の手法を実現できるツールとしてObsidianをはじめてみました。

この記事では、整理のために自分の Obsidian の設定と使い方を紹介します。

<AmazonLink imageId="71taKZfhhWL.SY522" linkId="4o8lfyX" title="TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる" author="ズンク・アーレンス" />

この本の紹介記事はこちら

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Obsidian をはじめたきっかけ

Obsidian を始める前から、手帳やメモ帳などに、休みの日にやったことや、本や映画の感想を書いていました。このブログをはじめたきっかけも、それらを手書きで書いていても、見返さないのがもったいないのと、どうせなら公開を意識して残しておこうと思い、このブログをはじめました。

ブログをはじめたのは良かったですが、意外に手軽に公開するのもハードルに感じていたので、ローカルでメモを管理できるツールとして Obsidian をはじめてみました。

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公開日:2025-08-01
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#Obsidian
#メモ術
小説版 機動戦士ガンダムを再読した
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2025 年は、機動戦士 Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)が放映された年でした。自分は途中からのリアルタイム視聴ができ、いろいろ不満がありながらも面白く一気見しました。

ちょうど 4 年前に「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を劇場で観て、ガンダム熱が再熱してしまってファーストガンダムから V カンダム、F91 までの小説版を購入して読んだので、今回もまた GQuuuuuuX を見たきっかけで小説版を再読しようと思いました!

4 年前のガンダム熱が再熱したツィート...

<Twitter url="https://x.com/kameno_no3/status/1421415599486365697" />

小説版 機動戦士ガンダムについて

初代ガンダムを小説化したシリーズで、全 3 巻が発売されています。角川スニーカー文庫版を読みました。

<AmazonLink imageId="81GrNu1kooL.SY522" linkId="4o6HLIz" title="機動戦士ガンダム〈1〉 (角川文庫―スニーカー文庫)" author="富野 由悠季" />

小説版のガンダムは、アニメシリーズとは全然別物になっています。具体的には、ララァが第 1 巻の後半で登場するが、あっというまに退場したり、その後に小説オリジナルのニュータイプとして「クスコ・アル」なるキャラが登場したりします。

また、GQuuuuuuX の重要人物のシャリア・ブルはアニメ版では 1 話だけの登場でしたが、小説版では登場回数は多いです。

モビルスーツに関しても、第 1 巻でアムロが乗るガンダムが大破し、マグネットコーティングが施された G-3 ガンダムが登場します。シャアが乗るモビルスーツも、ジオングもゲルググも登場せずにシャア専用リック・ドムが登場します。

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公開日:2025-07-27
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#書籍紹介
#小説
#ガンダム
フォントのふしぎを読んだので紹介
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フォントのふしぎを読んだので紹介

フォントやタイポグラフィについて勉強したいと思い、フォント関連の本を読んでいきたいと思います。 手始めに読んだ「フォントのふしぎ」が良かったので紹介します。

<AmazonLink imageId="51Dtxr9LBSL" linkId="4nIcZFK" title="フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのか?" author="小林章" />

書籍と著者について

この書籍は 2011 年に出版された本です。著者は「小林章」さんで、ドイツ在住の欧文フォントの書体デザイナーです。他にも欧文書体などの本も書かれております。

海外に在住している書体デザイナーの著者が、街角で見つけたロゴや看板などの文字に関して写真を載せ、それをもとにフォントの話を展開していくという構成になっています。

カラーで写真も豊富に載っているので、見ていてとても楽しいです。

誰でも読みやすい、親しみやすい語り口

この本の魅力のひとつが、タイポグラフィの専門書でありながら、とても親しみやすい口調で書かれていることです。

たとえば、こんな一文があります。

「いっぽうで、1 とアイがまったく同じようなデザインのフォントもある(183 ページ)。別にどっちがイイとか悪いとかじゃないんで。」

こんなふうに、小難しい話をわかりやすく、時にはちょっと笑えるような軽やかさで解説してくれるので、まるで話のうまい先生の授業を聞いているような気分になります。

また、ヨーロッパで撮影された実際の看板や街中の文字を写したスナップ写真も豊富に掲載されていて、「フォントが使われている現場」の臨場感をリアルに感じられるのも大きな魅力です。そこにはきちんとフォント名とメーカー名も添えられているので、実用的な知識としても役立ちます。

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公開日:2025-05-09
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#書籍紹介
#フォント
読んだ本リスト
誤解学
誤解学
誤解学
人文・思想・社会
著者
西成 活裕
発売日
2014年5月22日

「渋滞学」で著名な西成活裕氏は、誤解のことをこう書く

誤解とは、コミュニケーションの流れにおける渋滞のようなものである。誤解はそれまでの流れの様子を一気に変化させ、関係者にとって好ましくない状態を作り出してしまう

そもそも誤解が発生してしまうメカニズムとは何であるのか。
第二章では誤解の理論を構築していく。

理論構築のためには因果関係を表すモデルを作成し分析する。このモデルをIMV分析と呼ぶ。それぞれ下記の頭文字をとったものだ。

  • Iはintension(真意・意図)
  • Mはmessage(情報)
  • Vはview(見解)

誤解は自分の意図と相手の見解のズレで発生する。つまりI ≠ Vのときだ。

その他にも、自分の意見がどれぐらい保持するのかを表す頑固度K、VとIがどれくらいズレるかという指標、ズレを表す伝達度Gの変数も分析には含まれる。

ここで数理モデルの面白さを感じたのは、頑固度Kと伝達度Gが一定で変化しない条件のときではあるが、二者のコミュニケーションの最終合意がどこに行きつくかがシミュレーションで予測できることだ。

この条件の元だと、先手有利の法則になり、最初に話しかけた方が有利になるとのことだ。
このようなことが理論的に示せるのが興味深いと思った。

もちろん実際には、変数である頑固度や伝達度は会話のやり取りで変化するので、より複雑になるであろう。このことも本書で書かれていたらよかったが、残念ながら本書ではカバーしきれていない。

複雑さまで書かれていないのが不満ではあったが、数理モデルの面白さを知る上での良い入門書ではあるだろう。

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「誤解学」の参考文献一覧

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公開日:2026-09-22
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#人文・思想・社会
本屋という仕事
本屋という仕事
本屋という仕事
本屋
著者
三砂 慶明
発売日
2022年6月14日

日本全国各地の書店員たちが、本について、本屋という仕事についての語る。

ただ本が好きだから売るのではなく、本屋として商売としてどう成り立たせるのか様々な思いが綴られている。

また、ある書店員さんは、本屋の「棚づくり」について語られており、本屋さんの思いがあらわれる場所なのだと感じた。

紙の本が好きだし、本屋という場所が好きなので、これからも微力ながら応援したい場所だ。

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公開日:2026-09-22
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#本屋
鏡映反転――紀元前からの難問を解く
鏡映反転――紀元前からの難問を解く
鏡映反転――紀元前からの難問を解く
心理学
著者
高野 陽太郎
発売日
2015年7月15日

紀元前プラトンからの難問であった鏡映反転の謎について見ていく。
鏡映反転とは、「鏡に映ると左右が反対に見える」現象だ。

実をいうと光学的にいえば、「鏡面に垂直な方向だけを反転し、鏡面と平行な方向は反転しない」となる。
なので、鏡と正対しているときは、前後は反転するが、上下も左右も反転しないといえる。純粋に物理的な観点からみれば、「鏡が左右を反転するのはなぜか?」という問題は存在しないともいえる。

だが、実際に左右が反対に見えるし、それはなぜなのかという疑問が残るだろう。なので、鏡映反転の問題は物理的な問題ではなく、人間の認知の問題となってくる。

いままでに鏡映反転のさまざまな説明が、著名な物理学者や心理学者から出されていたが、どれも矛盾や批判があり、定説がないのが鏡映反転の現象である。自分自身の鏡映反転を説明しようとすると、文字の鏡映反転に矛盾が生じ、逆もしかりである。

そこで著者は、自分自身の鏡映反転と文字の鏡映反転は、それぞれ別の原理から生じると考える。
「表象反転・視点反転・光学反転」の3つの現象からなる多重プロセス理論を提唱する。

4章からは、実験結果をもとに多重プロセス理論の説明を行う。また、理解を深めるために他説の反証なども行っている。

レビューなどにあるように、この多重プロセス理論にも批判はあるようだ。
本書を読んで鏡映反転現象を説明する複雑さを感じる。そもそも鏡映反転という現象が複雑なのだ。理論を単純にすると、説明できない現象が出てきてしまうし、他説とのせめぎ合いもある。

装丁だけ見たら面白サイエンス本だと思ったが、実際には精緻に科学的な説明を行っており、誠実な本でありました。また光学的な現象だと思ったら、心理的認知の話でもあるなど、色彩関連と似たような現象が鏡映反転にもあることを知れてよかったです。

関連サイト(外部サイト)
「鏡映反転――紀元前からの難問を解く」の参考文献一覧

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公開日:2026-09-21
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#心理学
これからの本屋読本
これからの本屋読本
これからの本屋読本
本屋
ビジネス
著者
内沼 晋太郎
発売日
2018年5月25日

「本の惑星」というポットキャストのパーソナリティでもある内沼さんの著書になります。
本屋をめぐる状況と、本の仕入れ方、流通の仕組み、本屋の経営について書いてあります。

前半は本と本屋の魅力について書かれています。
「本が好き」「本屋が好き」とことばにする人が増えたとありますが、今ほど情報に簡単にアクセスできない、昔は「好きだから」ではなく「必要だから」本屋に人が来ていました。けれどいまは、必ずしも生活に必要なものではなくなったことで、逆に「好き」という気持ちが健在化してきたからなのでは、という分析はなるほどなと思いました。

本を売る場所のことばとして、「書店」と「本屋」ということばがありますが、これらの違いにも触れられています。「書店」は空間・場所寄りの意味になり、「本屋」は「屋」の字から、本をそろえて売買する人、本を専門としている人のことで、人寄りのことばになります。

内沼さんは一貫として「本屋」ということばを使っています。本を専門としている人のことも積極的に、広義の「本屋」と呼んでいき、本というものは、そういう人たち抜きには成立しないからです。

このことは、後半の小さな本屋を続ける考え方につながっています。現状、本を売るだけで生計を立てることは難しいでしょう。「本」と「何か」の掛け算の本屋運営のすすめが書かれています。

また、本屋を本業に取り込む考え方や、逆に副業としての本屋について述べられており、だれもが広義の本屋としてのライフワークになれるのだと思いました。

自分としては、このブログでやっているように、読んだ本の紹介を続けていきたいのと、街のシェア本棚や一箱古本市に参加してみたいと思いました。

本が好きな人、いつか本屋をやってみたい人におすすめの1冊になります。

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公開日:2026-09-19
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#本屋
#ビジネス
印刷に恋して
印刷に恋して
印刷に恋して
印刷
著者
松田 哲夫
発売日
2002年1月9日

1997年から2001年の印刷現場の体験レポート。今では見ることがなくなった、活版印刷や手動写植などの技術や職人たちの仕事ぶりが描かれている。表紙にある内澤旬子さんのイラストもステキです。

コロタイプのような写真製版、網点などが好きなことを再確認。
箔押しなどの特殊印刷にも触れられており勉強になった。

本の感想はこちらにも書きました!

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公開日:2026-09-18
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#印刷
「読者」の誕生―活字文化はどのようにして定着したか
「読者」の誕生―活字文化はどのようにして定着したか
「読者」の誕生―活字文化はどのようにして定着したか
文化論
人文・思想・社会
著者
香内 三郎
発売日
2004年12月9日

著者の専攻が、マス・コミュニケーション論とイギリス言論史なのもあり、本書は主に十七世紀のピューリタン革命期イギリスを舞台に近代ジャーナリズムの発展をみていく。

これもメディア論といえるのだろう。メディア論というと、どうしてもデジタルやテレビなどの媒体を連想させるが、手書き文字、パンフレット、活字も対象になる。こうした媒体が人びとの意識をどのように変容させてきたか。それにはキリスト教との関連で見ていかなければ理解できない。

なので、本書の前半で中世初期の「イコン論争」の分析から始まる。そこから偶像崇拝のイメージ論争、聖書の読み方の解釈(字義通りの意味など)などをみていく。

イギリス史では、ミルトンやホッブズ、デフォーなどの論客が対象にした「読者像」を考察し、近代ジャーナリズムの発展を追っていく。


タイトルからの想像と外れて、十七世紀イギリスの話が大半であり、特に宗教についても詳しくないので読み進めるのが大変だった。聖書解釈によって論争が生まれるなんて怖いって思ったり。

著者の専攻なので仕方がないが、「読者」を語るのに十七世紀イギリスばかりを扱っていいのかとも思った。もう少しキリスト教との関連もタイトルに含まれていたら...。

この時代に疎いので勉強になったが、日本の「読者」像を知りたくなったので、この本(近代読者の成立)も次は読んでみよう。

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公開日:2026-09-14
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#文化論
#人文・思想・社会
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング
文章術
著者
唐木 元
発売日
2015年8月6日

文章術に関しての本を読んだことがなかったので、中盤からの基礎的な部分が参考になった。だが問題は、自分の文章を客観的に添削してくれる人がいないことなんだよな。文章を読み返したりしても、違和感や正しくない文章を自分では気付けないのが問題だ。文章術の本を他にも読んでいけば身につくのだろうか。

とりあえず文章術に関しての1冊目としては、悪い本ではないと思いました。
若干上から目線なのは気になる部分ではあるが...
他にも文章術についての本を読んでみよう。

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公開日:2026-09-11
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#文章術
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」
AI
言語学
著者
川添愛
発売日
2017年6月16日

機械学習・ディープラーニング・ベクトル化などの理系と、言語学などの文系が関わってくるこの分野の話は、とても興味があり面白い。「言葉が分かる」ことや「意味が分かる」ということは、普段の生活では意識することがないであろう。だが、人間ではない機械のことを考えると、途端に私たち人間の凄さが現れてくるのが人工知能についての話を読む面白さか。

機械で人間の言語能力を再現しようとするときに、難しくなる要因は、「人間の無意識の能力」にあります。無意識の能力とは、言葉の曖昧性や会話的含み、意味理解など多数あり、本書を読むと私たち自身についても考えさせれることとなります。

また、言語学は何を目的にした学問なのか、この本を読むまで知らなかったのですが、こうした「人間の無意識の能力」を科学的に解明することを目標にしていることを知れたのもよかったです。

「言葉がわかる機械」をめぐるイタチたちの物語と、その物語からの解説といった形になっており、人工知能について誰でも読みやすく工夫されているのもいいですね。

関連サイト(外部サイト)
「働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」」の参考文献一覧

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公開日:2026-09-11
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#AI
#言語学
インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分
インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分
インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分
サイエンス
数学
著者
スティーヴン・ストロガッツ
発売日
2020年1月27日

高校時代に微積分で挫折した人は多いと思う。無味乾燥な記号操作をして、その意味を理解することなく、暗記して問題を解いてる人もいたのでは。ストロガッツが書くこの本では、一般の人に伝わるように微積分についての歴史的事実、エピソードや活用事例を、ときには数式も交えながら分かりやすく書いてくれる。

数学に縁がない人にも読めるように、大学数学で登場するイプシロン-デルタ論法などは出てこないで、タイトルにある「無限」の威力をで分かりやすく微積分を説明する。

微積分それ自体については知っている知識ではあったし、例えを用いることでかえって分かりづらくなっていると感じたのが難点か。

この本では、数学史のエピソードの話が面白いと思った。

第4章の「微分の夜明け」では、デカルトとフェルマーが出てくるが、この2人は仲が悪かったらしい。というよりも、デカルトがかなり悪い感じに描かれており、こんな人だったなんて知らなかった。

他の同時代の2人の話では、ニュートンとライプニッツの話が出てくる。彼らの微積分への思いつきは別々のルートで到達したという話は面白い。ニュートンは、運動と流れを好んで無限小を否定して定理にたどり着いたのに対し、ライプニッツは無限小を便利な簡略表記と捉え、極限に関する議論を作り直す有効な手段として定理にたどり着いた。

無限小といったものは、現実に存在しないわけで、ライプニッツと彼の学徒たちにとっての無限小は、有用な「心の創作」として存在したという表現が印象的だった。

簡易的なモデルではあるが、自然を数学で表現できること自体、凄いことである。
「無限」もまた存在しないが、数学の発展に寄与したという物語を知れば、数学への苦手意識も減るのではないか。そんな著者の思いから産み出された1冊なので、ぜひ読んでもらって微積分の素晴らしさを実感してもらいたい。

関連サイト(外部サイト)
「インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分」の参考文献一覧

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公開日:2026-09-09
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#サイエンス
#数学
服飾文化論: 服飾の見かた・読みかた
服飾文化論: 服飾の見かた・読みかた
服飾文化論: 服飾の見かた・読みかた
ファッション
著者
小池 三枝
発売日
1998年4月30日

人間だけが衣服を着ている。衣服には機能や表現も含まれる。

本書では、衣服を人間と動物とを区別するレベルで考えるのではなく、人間存在として長いあいだに培われてきた文化として考えていく。長い時間を経て、衣服を着ることが、人びとの心とどのようにかかわるのかということに焦点をあてている。

「服飾」という語があるが、「飾」とあるように、単に着るものをあらわすだけでなく、美的な意味を文字から読みとることができよう。何らかの楽しみや喜び、記号とされた制度、あるいは感動を見いだすことのできる衣服をとりあげ語っていく。

そこには文学作品に出てくる服飾も、意味を読みとることができる。文字だけの情報でありながら、服飾それ自体の描写で、身につけている人物の年齢・性別・職業・趣味・教養・性癖・経済状態などを示す一種の記号である情報を付与することができ、登場人物を読者に印象づける役割をもつ。

服飾はつねに、着る人とかかわり、また時代の動きとかかわりながら、さまざまな訴えかたをし、さまざまな美を実現するのだ。

ここでとりあがられる事例のほとんどは日本のものとなる。過去において日本人が服飾にいかにこまやかな感情を抱いてきたかを見つめ直すキッカケになるだろう。長い歴史をもつ衣服について、考えさせられる一冊となる。

関連サイト(外部サイト)
「服飾文化論: 服飾の見かた・読みかた」の参考文献一覧

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公開日:2026-09-06
Tags:
#ファッション
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