ローテク・イノベーション 老舗こたつヒーターメーカー「電熱革命」物語

ローテク・イノベーション 老舗こたつヒーターメーカー「電熱革命」物語

著者
川合 誠治
発売日
2020年12月21日

こたつ用赤外線電球のトップメーカーであったメトロ電気工業が、産業用加熱器への転換をし、新製品としてオレンジヒーターを開発し、最終的には自動車業界への販路をつかむ物語。

産業で多くの加熱工程では、ガス加熱方式を採用していたが、オレンジヒーターではローテクな電気加熱方式になりメリットが多くある。例えば、加熱時間の短縮による省エネや生産性の向上、作業性の向上や品質の向上だ。

だが、熱の温度調整などの問題があったが、抵抗値のコントロールがしやすいように独自の技術である「スリット加工」を開発した。これはカーボンシートにスリットを入れ、電気の通りをジグザグに変えることで抵抗値を自在にコントロールできるようになる。また、スリット加工の確立によって、200ボルト仕様での製造が可能になっただけでなく、同じ材料から長さ、色温度など自由自在に設計できるようになり、1本からでも対応できるようになり多種少量の製造ができるようになった。

このようなローテクと呼ばれる技術で開発されたが、それ故に受け入れられるのに時間が掛かったという。受け入れられるまでの苦労話も書かれており、企業の開発談としても面白い。オレンジヒーターの最初の導入は産業用からではなく、食品業界から導入された。ヒーター管だけの売り込みだけだと、何ができるか分からなかったので、電球メーカーだったメトロ電気工業が、専門でもなかった器具づくりもはじめたという。ここには地道な努力が描かれる。

老舗こたつヒーターメーカーであった企業の、産業用への技術開発や販路開拓の話が面白い1册でした。

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