「読者」の誕生―活字文化はどのようにして定着したか

「読者」の誕生―活字文化はどのようにして定着したか

著者
香内 三郎
発売日
2004年12月9日

著者の専攻が、マス・コミュニケーション論とイギリス言論史なのもあり、本書は主に十七世紀のピューリタン革命期イギリスを舞台に近代ジャーナリズムの発展をみていく。

これもメディア論といえるのだろう。メディア論というと、どうしてもデジタルやテレビなどの媒体を連想させるが、手書き文字、パンフレット、活字も対象になる。こうした媒体が人びとの意識をどのように変容させてきたか。それにはキリスト教との関連で見ていかなければ理解できない。

なので、本書の前半で中世初期の「イコン論争」の分析から始まる。そこから偶像崇拝のイメージ論争、聖書の読み方の解釈(字義通りの意味など)などをみていく。

イギリス史では、ミルトンやホッブズ、デフォーなどの論客が対象にした「読者像」を考察し、近代ジャーナリズムの発展を追っていく。


タイトルからの想像と外れて、十七世紀イギリスの話が大半であり、特に宗教についても詳しくないので読み進めるのが大変だった。聖書解釈によって論争が生まれるなんて怖いって思ったり。

著者の専攻なので仕方がないが、「読者」を語るのに十七世紀イギリスばかりを扱っていいのかとも思った。もう少しキリスト教との関連もタイトルに含まれていたら...。

この時代に疎いので勉強になったが、日本の「読者」像を知りたくなったので、この本(近代読者の成立)も次は読んでみよう。

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