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kamenono / かめのの
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インフラグラム 映像文明の新世紀
現代のわたしたちほど、こんなにも画面に囲まれ、多くの時間を画面を視ることに使う時代はないだろう。
本書は、画面に映し出されるにいたった映像の文明を、眼差しの歴史として考える試みである。
アテンション・エコノミーと言われるような資源としての眼差しや、消費社会の欲望と監視社会の時代、軍事の分野での「基地帝国」の存在や最終章では沖縄にフォーカスを当てられる。
これらの分野をひとりのアーティストから分析する。早逝された三上晴子の作品・展示からだ。早くから眼差しの技術と感覚をテーマに作品を発表しており、情報技術社会を見据えていた。
その例として1996年に発表された「モレキュラー・インフォマティクス」が挙げられる。眼差しそのものを扱ったアートであり、眼差しの運動を体験することになる。広告を見ることが金銭を得る手段になり、わたしたちの「見る」ことが、資源としての眼差しとなり、そうとは意識せずに労働である時代の真っ只中にいる。三上の作品の「視ることを視る」という行為は自分だけしか経験し得ない。誰かに代わって視ることも不可能であるので、資源にならない。
こうした作品から表出するものを、「愛の身体」と著者は表現する。愛の身体は、誰に引き渡すこともできない眼差しの一回性のものにしか現れない。
アートにはモノの特殊な存在様式を顕わにすることができ、問いが生まれてくる。
そんなことを感じた1冊です。
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