QRコードの奇跡

QRコードの奇跡

著者
小川 進
発売日
2020年2月13日

現在、様々な場所で見かけるQRコード。
QRコードはどの会社が作り、どんな経緯があり誕生したか知っていますか?

本書は、QRコードの誕生経緯や国際標準化への過程などを、関係者との取材により今日に至るストーリーをまとめ、なぜQRコードが普及したのかを描き出します。


QRコードの誕生前に、バーコード開発があります。QRコードを開発した会社は、トヨタ自動車の部品供給企業のデンソーです。工場で使用される部品管理のデジタル化の需要がありました。工場で使用されるので、汚れに強くなくてはいけません。そこで、バーコードと読み取り機の独自開発の必要性があり、デンソーが開発したバーコードリーダーはその要件をクリアすることができました。

最初は工場内で使われていたバーコードでしたが、非自動車業界で使われるようになります。セブンイレブンのPOSレジへの利用です。コンビニのおにぎりなどに貼られているバーコードなど他社では読み取りが難しいものも、デンソーの機器では読み取れました。その結果、コンビニではデンソーのバーコードリーダーの市場シェアが100%とのことです。

当初は、工場などのトヨタグループ以外に販売するなど想定していないでしょう。これはQRコードでも同じ現象が起こります。

QRコードは、バーコードでの情報量の限界により産み出されました。QRコード以前にも二次元コードはありましたが、下記の3つの機能を同時に満たすものはありませんでした。

  • 大容量の情報格納
  • 小サイズ印刷
  • 高速読み取り

結果からいえば、デンソーが開発したQRコードはこの3つを満たす二次元コードを開発することになります。開発では、誰もやりたがらない地道で手間のかかる作業に愚直に取り組む姿が本書で書かれています。

しかし、技術だけではこれほどまでに普及しません。
技術の普及には国際的な標準化が鍵になります。

後半の章では、国際標準化に向けての泥臭くも政治的な話が出てきており、技術の浸透には開発や良い製品を作るだけではダメなことを実感しました。

このように、本書は世界的に使用されているQRコードがどのような開発の背景を持っていて、どのように生まれたか、そして普及に至ったかを関係者からの取材に基づいて書かれていて面白い一冊でした。

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