小説の精神

小説の精神

著者
ミラン クンデラ
発売日
1990年3月31日

ミラン・クンデラによる小説論。

チェコ出身の作家ミラン・クンデラ。チェコ語で書かれた著作を別の外国語に翻訳することの不備の経験から、自分の好きな、重要な語の辞書の章が、第6部の七十三語にある。このことや、本書を通じてミラン・クンデラは言葉の定義・意味などを大切にしているのが読んでいて印象的だった。

セルバンテス以来のヨーロッパの小説の伝統を探りつつ、カフカやブロッホの著作を分析し論じている。彼にとって小説というものは、ヨーロッパ文化に固有の芸術である。それゆえに自作がヨーロッパの小説の伝統をいかに継承しているかとの自負がうかがわれる。それゆえに、彼の作品を反体制派という政治的観点から読むことはナンセンスであると訳者あとがきに書かれている。

自分はクンデラの作品を読んだことがないし、読んでいない作家の小説論ではあったが、非常に興味深く読むことができた。難解さはあるが、心地よい難解さで論じられており、彼の小説を読んでみたいと思った。

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