翻訳地獄へようこそ

翻訳地獄へようこそ

著者
宮脇 孝雄
発売日
2018年6月21日

英米文学・ミステリを翻訳している翻訳家の雑誌に連載されていたのを、まとめた1冊になります。主に小説の既訳での誤訳を例にだし、原文や背景となる文化や歴史などの時代背景を考慮して著者が訳すならどう訳すかが書かれています。

本書を読み、原文の「隠喩」を読み取って日本語の表現に落とし込む翻訳家は、大変な仕事だと感じました。これから翻訳家を目指す方にはぜひ一度読まれることをおすすめします。

以下ためになった話

  • 「秋の男」はカモかスケープゴートか
    • fall guy 「秋の男」となるがアメリカの俗語で「だまされやすい人」の意味だという
    • スケープゴートの意味にも
  • 謎のカタカナ言葉が多い翻訳は誤読の香りがする
  • 米国の名校閲者にならいハイフンにこだわって訳してみよう
    • 愛犬家の場合は、dog-loverとハイフン付けることを推奨
    • homemadeとhome-madeのパンの違いは
      • ハイフンつきの方は、「自分の家で」というのが強調される
  • ジャンパーはイギリスではセーターのことなり
  • 小説で知ったイギリスにおけるcityの意味
    • イギリスには「市」がないらしい
      • イギリスにおけるcityは「大きな町」つまり都会
      • ロンドンも市ではなく大きな町にすぎない
      • 主教が在任する聖堂のある町をイギリスではcityと呼ぶ
  • ナースとは何者?意味が変化してきた名詞に注意せよ
    • nurse 昔の小説では乳母・保母・家庭教師の意味で使われることも多い
  • 単調になりがちな「ですます調」に気をつける
    • 「ました」「のでした」と変化をつける
  • 教科書では削れとある表現も、ときには残すことが翻訳の技法の一つでもある
    • ダイアローグ・タグ = 会話指標 発言者は誰かを示す
      • 「~ said」の部分
  • 小説とノンフィクションの翻訳作法の違いは何か
    • 小説は作者の意図も汲んで訳さなければいけない
    • 小説は行間を読むのが大事
  • 語順に従って訳す手法が最近の翻訳の原則
  • some shopgirlは「何人かの女店員」なら複数形が付くが、この場合は特定の何かではなく曖昧なものを示すため「どこかの女店員」と訳す
    • seeには「見る」の他に「~すればよいと思う」などがある
Meta Data
公開日: 2026-05-15
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