インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分

インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分

著者
スティーヴン・ストロガッツ
発売日
2020年1月27日

高校時代に微積分で挫折した人は多いと思う。無味乾燥な記号操作をして、その意味を理解することなく、暗記して問題を解いてる人もいたのでは。ストロガッツが書くこの本では、一般の人に伝わるように微積分についての歴史的事実、エピソードや活用事例を、ときには数式も交えながら分かりやすく書いてくれる。

数学に縁がない人にも読めるように、大学数学で登場するイプシロン-デルタ論法などは出てこないで、タイトルにある「無限」の威力をで分かりやすく微積分を説明する。

微積分それ自体については知っている知識ではあったし、例えを用いることでかえって分かりづらくなっていると感じたのが難点か。

この本では、数学史のエピソードの話が面白いと思った。

第4章の「微分の夜明け」では、デカルトとフェルマーが出てくるが、この2人は仲が悪かったらしい。というよりも、デカルトがかなり悪い感じに描かれており、こんな人だったなんて知らなかった。

他の同時代の2人の話では、ニュートンとライプニッツの話が出てくる。彼らの微積分への思いつきは別々のルートで到達したという話は面白い。ニュートンは、運動と流れを好んで無限小を否定して定理にたどり着いたのに対し、ライプニッツは無限小を便利な簡略表記と捉え、極限に関する議論を作り直す有効な手段として定理にたどり着いた。

無限小といったものは、現実に存在しないわけで、ライプニッツと彼の学徒たちにとっての無限小は、有用な「心の創作」として存在したという表現が印象的だった。

簡易的なモデルではあるが、自然を数学で表現できること自体、凄いことである。
「無限」もまた存在しないが、数学の発展に寄与したという物語を知れば、数学への苦手意識も減るのではないか。そんな著者の思いから産み出された1冊なので、ぜひ読んでもらって微積分の素晴らしさを実感してもらいたい。

関連サイト(外部サイト)
「インフィニティ・パワー: 宇宙の謎を解き明かす微積分」の参考文献一覧

Info