融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

著者
渡邊恵太
発売日
2015年1月20日

尊敬しているデベロッパーの方が本書をおすすめしているが、ようやく読めた。
自己帰属感という概念を軸に、今後のインターフェイスを考えていく。

UXデザイナーと呼ばれる人たちは、体験を設計(デザイン)するが、体験には3つのレイヤ分けができる。

  • 現象レイヤ
    • 人間にとっての価値観や意味などを保留にして、素朴に人間の振る舞いを捉えていく視点
    • 認知心理学、状況論、知覚心理学、現象学
    • 「どういう体験になるのか」を検討する領域
  • 文化レイヤ
    • 人々の民族性や集団の観点からその行動様式を捉えていく視点
    • 個々人のライフスタイルの文脈から、適切なコンピュータの利用価値を探る視点
  • 社会レイヤ
    • 社会的な位置づけでの設計視点

本書は、現象レイヤと文化レイヤに相当する部分の設計論となる。
より良い体験とは何であろうか、ギブソンなどの認知心理学の視点から考察していく。


本書は2015年に発売された。上記のように社会レイヤには触れずに論を進められていたので、社会的な弊害について4章以降の話だと気になってしまった。まだIoTがそんなに進んでないように思うが、インターネットが前提になった生活に、道具の透明性は必要なのだろうか。なんだかハックして、より良い体験を得られるようにしようと言われる感じがした。

特に5章では人の時間について書かれているが、生態心理学で考える危うさがあるのではないか。人の時間を奪うことへの危機感は、この時代(2015年)には今ほどは問題視されてなかったのか。幸福な時代だなーと思った。

3章まではその通りと思い読めた。特に以下の一節はいつも考えている

代行され、人は何もしなくていい未来ではなく、個人の「する」を強化し、体験の拡張を目指すことである

人々にとって知的創造は楽しみでもあるからだ、代行されてはつまらない。自分の制作過程の気持ちよさみたいなものをより追求していきたい。

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