数学する人生

数学する人生

著者
岡潔
発売日
2016年2月17日

世界的数学者、岡潔の最終講義やエッセイを、独立研究者である森田真生が編集しまとめた1册。

今回、岡潔の文章をはじめて読んだが、およそ数学の人の感じとは違う印象を持った。多く出てくる言葉として「情緒」がある。岡潔の文では、一般的な意味のことではなく、独自に定義して語られる。

「宗教について」の文章がよかった。

宗教と理性は世界が異なっている。人の悲しみがわかるというところに留まって活動しておけば理性の世界だが、人が悲しんでいるから自分も悲しいという道をどんどん先へ進むと宗教の世界へ入ってしまう

人の悲しみがわかること、自分もまた悲しいと感じることが宗教の本質なのではないかと問いかける。


一遍、岡潔の妻が書いたエッセイがある。タイトルは「文化勲章騒動記」だ。岡潔が文化勲章を受章した1960(昭和35)年秋の出来事を、奥さんの視点で書かれており、岡潔の人柄を知れて面白い。

岡潔のエッセイ集は今も刊行されているので、また他のものも読んでみたいと思った。

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