有害図書の本

有害図書の本

著者
永山薫
発売日
2025年9月3日

有害図書についての歴史や、各都道府県ので指定された本の紹介と現状、実際に指定を受けた著者へのインタビューなどが書かれている。地方での有害図書の指定では、出版社側はあまり影響を受けないと言うが、東京で販売が規制されると「ほぼ全国区指定」と変わらない影響力がある。東京都での、8条指定図書への名称変更などの状況について1章割かれている。

改めて有害図書とは何なのだろうか。この条例は、長野県を除く全国46都道府県が条例で定めたもので、「青少年の健全な育成にとって有害な図書類」のことだ。青少年のための条例と謳いながら、指定された図書にはどう考えても青少年が手に取らないような図書も含まれている。

また、近年は男性向けジャンルと女性向けの逆転現象があるとの指摘がある。これは、包括指定で卑猥な姿態などが20%以上含まれているなどした図書は自動的に有害図書に認定する制度だ。このことも影響して、相対的に女性向けジャンルの指定が増えてきているが、総体としての有害図書指定は年々減ってきている。

そもそもこの条例は、1950年代から始まったものであり、時代に沿わないのではという著者らの指摘がある。何が問題であるかではなく、何かを指定すること、それ自体が目的化して続いてきているのではないか。そのようなことを思った1冊です。

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