装飾パターン

読んだ本リスト
トンデモと科学のあいだ
トンデモと科学のあいだ
トンデモと科学のあいだ
サイエンス
著者
田口 善弘
発売日
2026年9月9日

科学・物理学の世界では、中身や理由が分かっていない、かつてはトンデモな扱いだったものが、今では主流になったりする。

生成AIはどうだろう。科学者も中身が分かっていないながらも使用しているという。科学の歴史がそうであったように、恐れずに生成AIを使用していこうというのが主張か。

正直、科学のトンデモな概念の歴史と、生成AIとの議論がつながってなくない?となり、あまり話が入ってこなかった。

生成AIがどのようにして答えを出力しているのかを著者は知っているのかと、書きぶりから心配したが、ブルーバックスから出ている「はじめての機械学習」の著者でもあるのですね。それなら、今の科学者がどのようにして生成AIを使用して研究しているのかを書いて欲しかったな。

そもそも、「科学者が中身が分からなくても生成AIを平然と使えるのはなぜ?」と疑問に思ったことがないので噛み合わなかったかも。

題名から、ニュートンが晩年錬金術に情熱を注いだみたいなトンデモ話のことが書かれているのかと思って買ったんだけれども、錬金術みたいなトンデモ話は出てこなかったです。

収穫としては、ガリレオとケプラーの話でしょうか。あとは、参考文献にも複数挙げられている山本義隆の著書群が気になりました。

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「トンデモと科学のあいだ」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-20
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#サイエンス
日本語の作文技術
日本語の作文技術
日本語の作文技術
文章術
著者
本多 勝一
発売日
2015年12月6日

1982年に刊行された文章術の名著となります。

この本は、小説などの物語を書くためではなく、「事実的」「実用的」な文章を分かりやすく書くための本になります。悪い文章の例を提示しながら、どの部分が読みづらくなっているのや、改善方法などが解説されています。

自分では良い文章だと思っていても、他人から見たら読みづらい文章になっていることがあるでしょう。著者自身も例外に漏れず、悪い文章の例として、自分の文章も提示されています。日本語の文章を分かりやすく書くことの難しさを感じます。

日本語は非論理的だと外国語を優遇する人たちを著者は批判します。そうではなく、日本語を使いこなせない「使い手自身」こそが非論理的なのであると主張されているのが印象的でした。

学校で習う日本語の文法は、明治以降の西洋の文法からの影響に築かれたものであるので、本来の日本語にそぐわない形で体系化された経緯があります。英語などの影響により、文章の最初に「主語」を書かなくてはいけない風潮がありますが、日本語には「主語」は存在せず、あるのは「主格」にすぎないとの論には、なるほどなと思いました。

文章術の本を読んでいくと、いかに分かりやすい日本語で書くことが難しいのかを感じます。読みやすいリズムかどうかは、朗読してみれば分かると本書にかかれていたので、こうしたブログを書く際に実践してより多く文章を書いていきたいです。

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公開日:2026-10-17
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#文章術
現代メディア史 新版
現代メディア史 新版
現代メディア史 新版
メディア
著者
佐藤 卓己
発売日
2018年11月27日

本書の初版は1998年に刊行されたが、2018年に新版として新たにインターネット後の時代も追記された。

ジャーナリズム論は、「その内容は真か疑か」を問うが、メディア論は「その影響力は大か小か」を問う。メディア論においては、内容の真偽は影響力の大小ほどに重要ではないと、序盤に著者は言う。

著者の専門であるドイツ史をはじめ、イギリス、アメリカ、日本のメディアによる影響力を時系列的に比較して論じるのが本書である。

各章は次のようになる。

  • メディア史としてのコミュニケーション研究
  • メディア都市の成立
  • 出版資本主義と近代精神
  • 大衆新聞の成立
  • 視覚人間の「国民化」
  • 宣伝のシステム化と動員のメディア
  • ラジオとファシスト的公共性
  • トーキー映画と総力戦体制
  • テレビによるシステム統合
  • 情報化の未来史

各種参考文献も豊富なので、気になった章については、そこからさらに深く学ぶことができるでしょう。

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「現代メディア史 新版」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-18
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#メディア
メディア論の名著30
メディア論の名著30
メディア論の名著30
メディア
著者
佐藤 卓己
発売日
2020年11月6日

歴史学は現在から過去を解明し、メディア論は現在から未来を展望する

何をメディア論と呼ぶのか、選書の基準として3つ挙げています。

  • メディア論とは比較ミディウム論である。つまり、狭義な新聞論、テレビ論など個別ミディウムに関する書物は除く
  • メディア論とはメディア史である。つまり、純粋な理論研究、フィールド研究は除く
  • メディア論は長い射程の文明論である。つまり、選挙分析など短期的な調査研究は除く

この基準を元に章立てのキーワードとして、「大衆宣伝」「教養主義」「情報統制とシンボル操作」「メディアイベントと記憶 / 忘却」「公共空間と輿論 / 世論」「情報社会とデジタル文化」があります。

いわゆるガイド本といったタイトルになりますが、実体は著書自身の研究で役に立った書物を選出しており、研究遍歴を見ていくことになります。本の要約が知りたい人には不向きなのかもしれません。

また、今では手に入れるのが困難な書物もあります。本書刊行後に復刊された本もあるので、ちくま学芸文庫にはがんばってもらいたいですね。

30冊の選書の最後には、「読んでいない本について堂々と語る方法」が紹介されています。メディア論の大家でもある著者ですが、すべての本を完璧に読んでいるわけではないことを知り、安心できますね。「読まなくてもいい。読むべき本は買っておきなさい」といったとことでしょうか。

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「メディア論の名著30」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-13
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#メディア
スリップの技法
スリップの技法
スリップの技法
本屋
ビジネス
著者
久禮 亮太
発売日
2017年10月30日

本屋に行く楽しみが増える一冊。

再販維持制度があるので、どの新刊書店に行っても、本の値段は一緒である。また本屋は仕入れた本を返品できたりするので、どの本を仕入れるかが、その本屋の独自性になる。

本書は、新刊書店の書籍に挟まっている細長い紙切れであるスリップの活用方法を書店員に向けて書かれている。書店員のために書かれた本ではあるが、そうでない人にも書店員の仕事が分かり楽しく読むことができるだろう。

本にはその本とつながりが作れる関連書籍が多数あるだろう。書店ではそれをたとえ違うジャンルであろうが、隣に並べたり、平台に載せて販売している。そうした関連書籍の作り方を、売れた本であることが分かるスリップから考えていく。

本屋の仕事の忙しさも読んで感じた。著者は、あまり本を読んではいないというが、関連書籍をつなげる豊富な知識に驚かされる。「読んでいない本について堂々と語る方法」に本の内容を読んでいないが全体を把握している司書の話が出てくるが、書店員も同じように、その本の文脈や全体像、分類を把握して本を売っているのだろう。

返品制度があるから、仕入れた本をすべて売り切るという発想ではないのだなと知った。ついでに手に取られた本が書店を維持するのに大切なのだ。

自分もいろんな新刊書店に行ってみて、書店員がすすめる「ついでの本」を買っていきたい。そんな風に感じた読書体験でした。本屋に行くことが好きな人におすすめです。

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公開日:2026-10-12
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#本屋
#ビジネス
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
人文・思想・社会
著者
スーザン・オーリアン
発売日
2019年11月18日

1986年にアメリカ史上最悪の図書館火災があった。その場所は、ロサンゼルス中央図書館である。放火犯として疑われた青年は、俳優志望で虚言癖のある男である。彼の供述は二転三転するが、証拠不十分で刑事告発は見送られるし、火事から7年後に亡くなってしまうので、この火事の真相は分からずじまいである。

真相が分からない事件なので、書くことも少ないのであろう。ページ数が多いが、残りはこの図書館の歴史や、歴代の図書館司書などが短い章で書かれていて、非常に読みづらかった。

図書館そのものの話としては、公共性としての図書館の役割がアメリカと日本で違うのが印象的だった。ロサンゼルスではホームレスの人が多いらしい。図書館はその人たちにも無料で居場所を提供できる唯一の場所とのことだ。

燃えた後の本の扱いにも驚いた。なんと冷凍で保管するらしい。というのも濡れた本はカビが生えてしまうからだ。この冷凍庫の貸し出しに協力する企業の話も出てくる。町にとって図書館は大切な場所なのだろう。

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「炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-07
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#人文・思想・社会
本屋、はじめました 増補版
本屋、はじめました 増補版
本屋、はじめました 増補版
本屋
著者
辻山 良雄
発売日
2020年1月9日

荻窪にある新刊書店「Title」の店主である辻山さんの著書です。
辻山さんは、Titleを開業する前にリブロという書店で働いていました。
前半ではリブロで働いていたなかで気づいたことを、後半ではなぜ新刊書店を開いたのかが語られます。

新刊書店を開く前に行う準備のことなどが、赤裸々に描かれており、新しく独立系の本屋を開きたい人に参考になる内容も多いかと思います。店の場所の選び方や、ロゴ、ブックカバーなどについての記載があります。

文庫版の増補では、単行本発行から五年が経過したその後のTitleのことが書かれています。売上や利益のことについても書かれてある。

印象的だったのが、人とのつながりのことだ。
小さなお店をやることは地域の人びととの結びつけが大切なのだろう。

新たに本屋をやりたい人も、小商いを始めたい人も、本屋のことが好きな人も参考になる1冊だと思います。

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公開日:2026-10-06
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#本屋
本棚の歴史
本棚の歴史
本棚の歴史
人文・思想・社会
著者
ヘンリー ペトロスキー
発売日
2003年12月31日

意外になかった本棚そのものの歴史に着目した本書。
著者は「フォークの歯はなぜ四本になったか」の著者で知られるペドロスキーです。

昔は今のような形態の本ではなく、古代では巻物の形であり、そこから冊子へと進化。そこから活版印刷の誕生と続く。ここで重要なのは、本と本棚が別々に進化するのではなく、本の形態が進化したら、それにともなって本棚の方も進化していくことだ。

本の保管の歴史は、巻物の時代は、ケースや箱に置かれていたり、冊子になると、戸棚や保管箱に進化する。写本文化が栄えると、書き取りしやすいように斜面をなす書見台が登場した。次第に蔵書の数が増加すると、ストール・システムが導入され、今見るような本の縦置きが始まることとなる。

ここで面白かったのは、昔の本の背には題名や著者名がなかったことだ。蔵書もまだ少ないころは、判別ができていたのだろう。また、本の背に何も書かれていないので、収納する時には背を奥にし、前小口を外側に向けて収納されていたらしい。

また、同時写本は貴重品だったので、本が盗まれたりしないように、鎖で書見台につながれていた。その前には鍵を使用されていたらしいが、複数ある鍵のタイプだったので、その煩わしさをなくすために鎖が使われたのだという。

本が鎖につながれていたことは、本棚の形態意外にも、建造物にも影響を及ぼすことになった。昔は電気もなく日の光がないと読めないことと、鎖につながれた本という事実が、イギリスでは歴史的な図書館の構造と発展を一七世紀末まで左右し続けたのだという。

このように本書では、本棚について語るために、本の歴史や保管する図書館についても語っている。後半では図書館の話が多くなってしまっていて、本棚ではあるが、期待していたものとは違うかなと感じた。もう少し個人の蔵書や本棚について読みたかったかも。

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「本棚の歴史」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-03
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#人文・思想・社会
燃える平原
燃える平原
燃える平原
小説
著者
フアン・ルルフォ
発売日
2018年5月16日

燃える平原は17の物語からなる短編集である。
どの作品にも死が出てくる作品群を読んだことがない。
そこにまつわる復讐や親子関係、荒涼とした大地が作品を満たす。

作品の中で、気に入ったのは以下の3つ

  • コマドレス坂
  • タルパ
  • 殺さねえでくれ

今回再読したわけだが、どの作品も素晴らしい出来であったのに気づいた。
現在、岩波文庫版は絶版になっているが、見つけたら手にしてもらいたい。

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公開日:2026-09-26
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#小説
偶然の装丁家
偶然の装丁家
偶然の装丁家
デザイン
著者
矢萩多聞
発売日
2014年5月1日

「就職しないで生きるには21」
装丁家である矢萩多聞さんの著書になります。

「偶然の装丁家」とあるように、矢萩さんが装丁家として本をつくる仕事をするようになったのは、さまざまな縁があったからです。

本の前半では、矢萩さんの学生時代が語られます。不登校であった小学生時代。5年生でよい先生に出会い学校に通い出す思い出。だが中学校ではまた不登校に戻って学校に行かなくなってしまいます。

矢萩さんの父親もモノづくりの人で、木版画家であります。父親の影響から、はじめての海外はネパールに行き、そしてインドで暮らすことになります。

印象に残ったのは「その場にアジャストする」ことです。インドでは日本ほど生活がしやすくないで、でこぼこの国です。社会そのものがまっすぐな水平の上に建ってないから、人間のほうがアジャストする必要があるとの言葉になるほどなと思います。

本の後半では、いまの仕事である「本をつくる仕事」にフォーカスします。矢萩さんのはじめて出た本は、春風社という出版社から出た対談本になります。ここで矢萩さんは、はじめての装丁をすることになり、そこから今につながっています。

矢萩さんは個展などで絵を売ってたりもしましたが、装丁家を名乗るきっかけになったのが、安原顕さんとの仕事からだそうです。安原顕さんの最後の著書の装丁を手掛けたことで、著者にとってはどの本もかけがえない一冊で、最初で最後になる本かもしれないと思いました。小遣い稼ぎでやってしまったらまずいと、自分の仕事の重大さに気づいたそうです。


装丁家の人の本を読んだのがはじめてなのもあり、勘違いしていたことがありました。装丁家とは本の表紙だけをデザインするのではないそうです。

矢萩さんの「一冊の本ができるまで」は次のようになります。

  • 何はなくとも、まずは打ち合わせ
  • ラフづくりは果てしない
  • 修正するもの、しないもの
  • 紙選びと印刷

本のデザインをするためには、著者と編集者との打ち合わせが大切なことが伝わってきました。会話のなかから産まれてくるものがあるのです。

矢萩さんの人柄を表すエピソードで好きだったのが、ある会社の都合でデザイン料を安くしてくれと言われたときのことです。最初は腹がたったのですが、こう提案したのです。

「わかりました。きっとあなたも会社に言われて、融通をつけることができないんでしょう。デザイン料は改定後のものでけっこうです。ただし、その分、また仕事をください!」

なかなかこういう風に提案はできないなと関心しました。損をして得とる、抜け目ないインド人的発想かもしれないと著者は自己分析しています。

デザイン料に対してもそうです。装丁家はいくら本が売れたとしても、デザイン料は一定です。それに対し、装丁家にも印税制にすべきだ、と主張する人もいますが、矢萩さんは違います。

もし印税制になったら「たくさん売れる本をつくる」ことが目的になってしまい、おかしくなってしまいます。それよりも、装丁した本が有名になることで、新しい仕事につながることの方が良いといいます。このことを「目に見えない印税」と表現していて良いなと思いました。

このシリーズは「就職しないで生きるには」となっていますが、矢萩さんはあとがきで、就職しないで生きてほしい、とは思わないと書かれます。仕事を通じての人との出会いや繋がりのなかで、身の丈にあった「居場所」を見つけること。そんなことを読んで思いました。

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公開日:2026-09-30
Tags:
#デザイン
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