【月報】2026/02 風を映し出す方法
目次
美術館
北條正庸 風の旅 - 宇都宮美術館

地元の宇都宮を拠点に活動している北條正庸の個展に行きました。
個人的に初期作品の、色彩の階層のグラデで奥行きを表現している作品だったりが好きでした。風をテーマにしていることもあって、雲の白が引き伸ばされていたり、自転車に乗っている少女の作品では、モーションブラーの効果を絵で表現すると、ただのブラーではない絵の具の擦りや滲みのような技法になっていて勉強になりました。
作家の作業机の展示もありました。後期はグリッドを意識した作品が多く、机にもそのグリッドが描かれていたり、モンドリアンの影響からか、モンドリアンの書物などが沢山置かれていました。印象的だったのは、乗り物の模型(電車、飛行機)です。電車の模型自体は、展示されていた作品に描かれてはいませんでしたが、作業机に置いてあるのが、遊び心がありいいなと思いました。
作業机の書物の中にもあったのと、北條さんおすすめの本として以下の本が売店にあって購入したので読むのが楽しみです。
藤田嗣治 絵画と写真 - 茨城県近代美術館

茨城県近代美術館にて「藤田嗣治 絵画と写真」を観に行きました。
自分自身、藤田嗣治については詳しくないのですが、藤田は若い頃からカメラを所有していて、生涯に渡って数千点におよぶ写真を残していたそうです。今回の展示では、それらの写真の一部を紹介するほか、写真を資料として制作された絵画も展示されていました。
印象に残ったのは、藤田が撮るカラー写真です。画家として色彩感覚に優れているからか、藤田の撮るカラー写真は、色彩が鮮やかで構図も良く、カラーフィルムが普及し始めたばかりの日本写真会に少なからぬ影響を与えてたみたいです。
藤田嗣治の作品では、乳白色の作品が好きなのですが、もう少し藤田のことについて知りたくなりました。
本
創作者のための読書術 読む力と書く力を養う10のレッスン
本書での創作者は、文章を書く人を対象にしていますが、映画などの物語に対しての見方としても参考になるでしょう。優れた書き手になるためには、優れた読み手になることだと本書では書かれています。
本書で取り上げられているジャンルは、フィクション、クリエイティブ・フィクション、フォトエッセイ、漫画、詩を取り上げ、ジャンルによって読み方に影響を与えることを考えることが、作家のように読むために必要な第一歩だと書かれています。
本書では作家のように読めるようになる読書術を紹介してくれますが、実際には「書く」ことを念頭に置かなければ、このような読み方はできないと思います。なので、このブログに感想文などを書くのをモチベーションに読書する際には、「書く」ことを意識して読んでいきたいと思いました。
超・箇条書き 「10倍速く、魅力的に」伝える技術
本書では通常の羅列されている箇条書きではなく、より情報を簡潔に伝えられる超・箇条書きの技術を紹介しています。
伝えたいことの羅列ではなく、超・箇条書きでは次の3つの技術的要素を加えます。
- 構造化 : 相手が全体像を一瞬で理解できるようにする
- 物語化 : 相手が関心を持って最後まで読み切れるようにする
- メッセージ化 : 相手の心に響かせ行動を起こさせるようにする
本書では、ビジネスの現場での例が多いですが、箇条書きは汎用的に使える技術です。
自分もブログ記事や読んだ本の感想などを書く前に、超・箇条書きで最初に情報をまとめてから書き始めようと思いました。
鴨居玲 死を見つめる男
笠間日動美術館には「鴨居の部屋」という展示があります。なぜ笠間の美術館に鴨居玲の展示があるのか気になっていたので本書を読みました。
鴨居の作品は暗鬱としていて惹かれるものがあります。著者と鴨居は画家と画商の関係を超えた親しい関係で、その著者の視点で鴨居について書かれていることもありますが、本書を読む限り作品から感じる暗い人間性ではなく、親しい人に対しては優しい人であり、濃い付き合いを好んでいた人だったのかなと思いました。
画家として売れてからは海外にも住んでいたのですが、特にスペインの村を好んでいたらしく、作品からは意外に感じました。
同じ世代の画家、また、画壇を背負っている画家たちと一緒に行動するのを好まなかったのではないかと思われる。何より、画壇のトップを行く画家たちと、社会的な企画を考え、先頭に立って、後輩の画家たちをまとめるなど興味が全くなかったのだろう。(p166)
上記引用にあるように、自分の描きたいテーマについて描きたいように描く、自分の世界を持っている生き方・美学が格好いいと思いました。
おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる
北は北海道、南は熊本県の日本各地の地方で活躍している21名のデザイナーのエピソードが載っています。
そこには、彼らがデザイナーになったきっかけや、地域と関わるようになった理由などがデザイナー自身の言葉で書かれています。
どのデザイナーの方も語っていることは、都市では仕事も人も多く、デザイナーは分業で対応していくが、地方では何でもやるゼネラリストであることが大事ということです。
本書にでてくるデザイナーたちは、収入を得るための職業・仕事ではなく、その地域との生活と表裏一体で暮らしている感じを受けました。地域活性化に興味がある方はぜひ本書を読んでみてください。
映画
殺し
ベルナルド・ベルトルッチ監督の21歳での処女作。パゾリーニの原案を元に監督。
イタリア、ローマが舞台。中年娼婦の遺体が川の土手で発見されたことから映画は始まる。
警察はその時間帯にパオリーノ公園にいた者たちに取り調べを行う。映画はその証言のシーンを、1人ずつ見ていく。同じ日を違う人物の視点で見ていくが、作中で雨が降るシーンがあり、毎回被害女性の家の窓からの風景が差し込まれたりするのがいいと思った。ただ1人の証言以外にこのシーンは出てくる。
若干21歳での処女作ではあるが、カメラワークが良かった。3人目の兵士の証言シーンでのカメラが引くシーンや、公園での2人の少年と同性愛の男とのシーンでは、こいつらが怪しいのかと感じさせる構成で飽きることなく鑑賞できました。
音楽
Max Cooper - My Mind Is Slipping
大好きなMax Cooperの曲と映像。
data moshやpixel sortingなどのエフェクトが映像と曲にマッチしていて、終末感があり好きです。






