GLSL

17の平面繰り返しパターンをGLSLで実装してみる - その1

はじめに

平面の繰り返しパターンは17種に分類することが、数学的に証明されています。それも4つの基本移動(並進・鏡映・回転・映進)の組み合わせで17パターンを作成できます。

詳しくは以下のWikipediaのリンクと参考書籍を参照ください。

<WikipediaEmbed title="文様群" />

このシリーズでは、GLSLで17の平面繰り返しパターンを実装してみます。 紹介するパターンはp1~pmgまでの9パターンになります。残りのパターンは次回に紹介します。

基本的なコードの説明

このシリーズでは、対称性が分かりやすいように三角形を4つの基本移動をさせることでパターンを作成します。まずは基本的なmainのコードを説明します。

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公開日:2026-03-15
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#GLSL
#勉強ログ
#装飾パターン
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第8章 3Dレンダリング
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 8 章の 3D レンダリングについての勉強ログです。

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テクスチャマッピング

地面とレイの交点を計算し、地面に市松模様をテクスチャとしてマッピングします。市松模様のテクスチャは次のようになります。

float text(vec2 st) {
  return mod(floor(st.s) + floor(st.t), 2.0);
}

ここで 3D 空間のカメラの設定をします。カメラの向きを$\bm{x} = (0, 0, -1)$とし、カメラの上方向を$\bm{y} = (0, 1, 0)$とします。この値に対して外積をとることで、撮影する向きに対する水平方向$(1, 0, 0)$を得ることができます。実際の計算は次のようになります。

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公開日:2025-10-11
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#GLSL
#数学
#勉強ログ
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第7章 距離とSDF
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 7 章の距離と SDF についての勉強ログです。

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2 次元 SDF

胞体ノイズでは近傍点との距離を返す関数でしたが、近くの「点」ではなく「図形」との距離を返す関数を考えます。ここでは図形との負の値もありうる距離を返す関数を導入します。これがSDF(Signed Distance Function, 符号付き距離関数)となります。

円の SDF

円の SDF について考えてみます。円は中心点 C と半径 r から決まりますが、C からの距離が r より小さければ円の「内部」、r より大きければ円の「外部」となり、r と等しい場合は円の「境界」です。平面上の点 P に対して、円の外部では値は正、内部では値が負とします。これが円の SDF を定めます。

円のSDF

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公開日:2025-10-05
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#GLSL
#数学
#勉強ログ
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第6章 胞体ノイズ
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 6 章の胞体ノイズについての勉強ログです。

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胞体ノイズとは?

値ノイズと勾配ノイズは格子点でのランダムな値を使ったノイズ関数でした。一方この章で学ぶ胞体ノイズは距離を使ってつくられます。胞体(セル)とは生物の細胞などのことで、胞体ノイズは「近さ」によって空間をバラバラに分割します。

第 1 近傍距離とボロノイ分割

胞体ノイズは空間内に点をバラまいて、各点への距離を測ることで得られますが、バラまかれたこれらの点は特徴点と呼ばれます。ここで特徴点を$A_1,...,A_n$とします。空間内の点 P を定めたとき、P から特徴点$A_i$への距離を$d(P, A_i)$で表すと、すべての特徴点までの距離の最小値は次のように求まります。

$$ \mathrm{min}(d(P, A_1), ... , d(P, A_n)) $$

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公開日:2025-09-30
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#数学
#勉強ログ
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第5章ノイズの調理法
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 5 章のノイズの調理法についての勉強ログです。

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再帰

再帰関数とは、関数の中で自分自身の関数を呼び出すような関数のことです。GLSL では再帰関数は使えませんが、for 文を使って再帰的な処理を行うことができます。

非整数ブラウン運動(fBM)

1 以下の定数 G に対し、1 変数ノイズ関数 noise(x)の周波数を 2 倍するごとに値を G 倍して、それを足し合わせてみましょう。式にすると次のようになります。

$$ noise(x) + Gnoise(2x) + G^2noise(4x) + ... + G^knoise(2^kx) $$

ここで素材となるノイズ関数 noise(x)はどのような関数でもいいですが、値の範囲を$[-0.5, 0.5]$区画にずらしておきます。このように加工されたノイズ関数は非整数ブラウン運動(fractional Brownian motion, fBM)と呼ばれます。

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公開日:2025-09-24
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#数学
#勉強ログ
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第4章勾配ノイズ
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 4 章の勾配ノイズについての勉強ログです。

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勾配ノイズとは?

前回は値ノイズについて見てきました。値ノイズは計算量も少なく、簡単につくれるノイズですが、格子で区切っているのでブロック状に見えてしまいますし、ムラが現れやすいです。値ノイズを改善したノイズが勾配ノイズになります。

値ノイズの場合は、格子点での乱数の「値」を使うのに対し、勾配ノイズは乱数のベクトル値を「勾配」として使用します。ノイズ関数でよく使用されるパーリンノイズは、この勾配ノイズの一種であります。この章では、勾配ノイズと 2002 年の Perlin による改良版勾配ノイズ(パーリンノイズ)について見ていきます。

勾配ノイズの構成法

1 変数

値ノイズは乱数値をエルミート補間してつくりました。ここで別の見方として、$h(0) = 0$,$h(1) = 1$,$h'(0) = h'(1) = 0$ を満たすエルミート補間関数$h(x)$に対して、$w(x)$を次のように定義します。

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公開日:2025-09-20
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#数学
#勉強ログ
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第3章値ノイズ
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 3 章の値ノイズについての勉強ログです。

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値ノイズの構成法

まずは 2 次元の値ノイズの構成法について見てみましょう。

平面上の正方形の4つの頂点(格子点)

平面上の正方形の 4 つの頂点(格子点)を用いて、値ノイズを構成します。各格子点での乱数値、または乱数ベクトルを使って生成されるノイズを格子ノイズと呼びます。格子点の成分は整数になるようにします。点$(x, y)$に対して床値$[]$を使って、$(x, y)$を取り囲むマスの格子点は次の 4 つのベクトルで表します。

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公開日:2025-09-16
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#数学
#勉強ログ
「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第2章疑似乱数
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 2 章の疑似乱数についての勉強ログです。

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レガシー乱数

GLSL ES 1.0 ではビット演算が使えないため、ハッシュ関数ではなくサイン関数を使用した乱数生成が行われていました。The Book of Shaders ではサイン関数を使用した乱数生成の方法が紹介されています。

https://thebookofshaders.com/10/?lan=jp

サイン関数自体には乱数性はないですが、サイン関数の値に大きい値をかけて桁を上げ、fractで小数部分を取り出すことで乱数のように見えることができます。

レガシー乱数の 1 変数と 2 変数のコードは次のようになります。

// 1変数のレガシー乱数
float fractSin11(float x) {
  return fract(1000.0 * sin(x));
}

// 2変数のレガシー乱数
float fractSin21(vec2 xy) {
  return fract(sin(dot(xy, vec2(12.9898, 78.233))) * 43758.5453123);
}
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公開日:2025-09-10
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#数学
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「リアルタイムグラフィックスの数学」勉強ログ - 第1章補間
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はじめに

「リアルタイムグラフィックスの数学」の第 1 章の補間についての勉強ログです。

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線形補間とグラデーション

mix 関数について

GLSL における mix 関数は以下のような数式になります。

$$ \bm{a} + x\overrightarrow{AB} = \bm{a} + x(\bm{b} - \bm{a}) = (1 - x)\bm{a} + x\bm{b} $$

これは、線分 AB があり、その線分上を動く 0 以上 1 以下の x に対して、線分 AB を x: (1 - x)に内分する点の位置ベクトルを表しています。上記の式のベクトルをmix(a, b, x)として定義しています。このように 2 点間をつなぐことを補間と呼び、上記の式は線形補間(Linear Interpolation)の公式です。

コード 1.1 のように、赤(1, 0, 0)と青(0, 0, 1)を mix 関数でつなぐことで 2 色のグラデーションを作ることができます。

vec2 RED = vec3(1.0, 0.0, 0.0);
vec3 BLUE = vec3(0.0, 0.0, 1.0);
vec3 col = mix(RED, BLUE, pos.x);

赤と青のグラデーション

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公開日:2025-09-07
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#GLSL
#数学
#勉強ログ
勉強のために「リアルタイムグラフィックスの数学」のGLSLコードを確認できるサイトを作った

はじめに

シェーダに再挑戦したいと思い、「リアルタイムグラフィックスの数学」の本をまた読み直してます。

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勉強する際に、本に書いているサンプルコードを Web サイトですぐに確認できるように、Astro と Three.js を使用して GLSL コードを表示するサイトを作成しました。サイトはこちらになります。

リポジトリはこちらになります!

https://github.com/nono-k/book-of-realtime-graphics-math

勉強方法の方針

いったん、本を読みながらローカルの VSCode 上で GLSL コードを書いて確認して、Web サイトに GLSL のコードと実行結果のサムネをアップしていきたいと思います。

また、このブログで勉強した内容を章ごとに残していきたいと思います。以下はリンクになります。

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公開日:2025-09-06
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#GLSL
#数学
読んだ本リスト
「愛」と「性」の文化史
「愛」と「性」の文化史
「愛」と「性」の文化史
人文・思想・社会
著者
佐伯 順子
発売日
2008年11月9日

「愛」や「性」という言葉は、昔から現在と同じような意味で存在していたのではない。これらの言葉は、日本の歴史の過程で誕生したものであり、私たちの恋愛観や性愛観も、こうした歴史の過程抜きでは語れないことを著者は述べる。

本書では、「愛」や「性」という言葉が、現在の私たちになじみのあるような意味で使われる以前の男女関係のあり方を、文学作品や絵画といった様々な表現のなかから考察する。

例えば、江戸時代の春画の話では、スピリチュアルの視点で考察される。当時は「笑い絵」と呼ばれていたものだが、交合も笑いも、ともに神の力によって幸いを得る宗教的パワーを持つものと信じられてきたのではという。それゆえに、春画では遊女が少ないとのこと。それはスピリチュアルなパワーが期待できないからなのだと。

このことからも、春画というメディアが西洋的「ポルノグラフィー」の枠組みでは捉えられないことが知れる。明治の文明開化後に西洋からの「愛」や「性」といった、概念が入ってくるのだ。

その他にも、与謝野晶子の「貞操」と「処女」論、谷崎潤一郎の夫婦恋愛小説家としての面や、御伽草子の夫婦の「情」、心中の変容、高齢化社会における恋愛の将来などについて考察される。

文学作品からの考察なので、実態はどうだったのかが述べられてないのが気になったが、日本における「愛」や「性」の変容について知れる一冊となります。

関連サイト(外部サイト)
「「愛」と「性」の文化史」の参考文献一覧

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公開日:2026-11-04
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#人文・思想・社会
タタール人の砂漠
タタール人の砂漠
タタール人の砂漠
小説
著者
ディーノ・ブッツァーティ
発売日
2013年4月16日

イタリアの著者ディーノ・ブッツァーティの長編三作目に当たる「タタール人の砂漠」
訳者解説でも書かれているが、「幻想小説」の世界的古典として知られるが、ここにはいつの時代の人々にも当てはまるものが含まれているだろう。

主人公ジョヴァンニ・ドローゴは将校で、俗世から隔離された娯楽ひとつない砦での勤務に当たる。若さを自覚する主人公は、理想的な未来を想像するが、時の流れは残酷だ。

一度は故郷に戻るが、再び砦に戻ってしまうのはなぜか。先輩中佐が先に退官する場面、反対のことを願いながら敵が来ることを話す。ほぼ三十年というものの、同じ砦で過ごし、同じ敵を待ち続けていたが、ふたりの道は分かれるのだ。

はたして敵は来るのだが、そのころにはドローゴは年を取りすぎていた。読者は主人公を青年時代から見てきたが、役立たずな老人として他の若い兵士に見られながら砦を去るドローゴを見る。

まさに不条理といってもいい小説なのだ。
だが人生もそんなものかもしれない。

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公開日:2026-11-03
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#小説
レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化
レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化
レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化
文化論
人文・思想・社会
著者
レベッカ・L・スパング
発売日
2021年10月10日

レストランが食べる場所を意味するようになるまでは、数世紀にわたって、レストランといえば食べる物、すなわち元気を回復させるだし汁のことであった

本書では、小さなカップ一杯のブイヨンから、現代の意味での場所としてのレストランが出現する過程を辿っていきます。

初期のレストランが食を提供したのは、食欲を失い疲れ果てた口と虚弱な胸に悩む衰弱した者たちに対してでした。その起源から見ても、レストランは必ずしも豪華な食事とは無縁だったことが知れます。

しばしばレストランはフランス革命により貴族などに雇われていたシェフが開業したとの言説がありますが、革命前から自分の事業に身を投じているのでその言説は間違いであると著者は述べます。こうした飽食の時代としてのレストランではなく、本書では空間・場所としてのレストランを見ていくことができるでしょう。

ヨーロッパの食文化としては、イギリスではカフェがありますが、パリのレストランの文化とは何でしょう。レストランをすでに存在していた他の公共食堂の類と区別していたのは、ブイヨンとライスクリームの載ったメニューであったと同時に、そのサービス様式であったといいます。例えば、定食用のテーブルであったり、密会の場にもなった個室、料理のメニューのリストの必要性などです。

メニューの存在により、レストランは初めて、実際に料理を分け合うことなく他人と食事をともにすることを可能にしました。カフェの客は新聞を読み、身の回りの世界について考えますが、レストランの顧客はメニューを読み、自分自身の体調を考えたのでした。

本書を読むことで、「レストラン」という概念を違った視点で見ていくことができるでしょう。著者自身が述べているように「レストランについて本を書くとは、ほとんどすべてについて本を書くようなもの」なのだから。

関連サイト(外部サイト)
「レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-30
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#文化論
#人文・思想・社会
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
フォント
デザイン
著者
今市達也
発売日
2021年7月20日

意外にも類書がないレタースペーシングについて書かれた本。

レタースペーシングとは、文字の間隔を視覚的に均等に見えるように調整する作業のことです。デザインにおいて、文字の詰め方で読みやすさや見た目の印象が大きく変化します。デザイン初学者にとっては、文字間を意識することは少ないかと思われますが、プロのデザイナーにとっては、この文字間に常に気を配って文字組みを行っています。

そもそものレタースペーシングの歴史では、金属活字の時代では、正方形に収められている活字の影響で活字同士がぶつかって文字詰めをすることが技術的にできませんでした。しかし、写植に以降したことで文字が詰められるようになります。その時代(1960年代)以降の日本の雑誌では、見出しの字間を極端に狭くするレタースペーシングが流行していたみたいです。

このことを踏まえると、時代や技術が変化すると文字の組み方が変わり、それに合わせてスペーシングに対する価値観も変わっていくと著者は述べます。また、和文と欧文でも文字の形状やボディ、ベースラインの考え方が違うでしょう。本書のようなレタースペーシングについての入門書を読むことで、文字に対しての基礎知識を得ることで、なぜそのスペーシングなのかを感覚ではなく言語化して説明できるようになり、「なんとなく」からの卒業ができそうです。

本書の最後では実際のロゴタイプを例にとり、なぜそのスペーシングなのか解説してくれます。ロゴタイプは企業としても大事なものであり、目にする機会も多いため、そのスペーシングに対しての考察は勉強になります。例えば、商品パッケージで縦組みと横組みのロゴタイプがある場合は、それぞれで文字の形を微妙に変化させスペーシングを調整しているなど、すごいなと思いました。

今まで文字組みをなんとなく行っていた方が読むと勉強になるので、おすすめの一冊となります。

関連サイト(外部サイト)
「レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-29
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#フォント
#デザイン
トンデモと科学のあいだ
トンデモと科学のあいだ
トンデモと科学のあいだ
サイエンス
著者
田口 善弘
発売日
2026年9月9日

科学・物理学の世界では、中身や理由が分かっていない、かつてはトンデモな扱いだったものが、今では主流になったりする。

生成AIはどうだろう。科学者も中身が分かっていないながらも使用しているという。科学の歴史がそうであったように、恐れずに生成AIを使用していこうというのが主張か。

正直、科学のトンデモな概念の歴史と、生成AIとの議論がつながってなくない?となり、あまり話が入ってこなかった。

生成AIがどのようにして答えを出力しているのかを著者は知っているのかと、書きぶりから心配したが、ブルーバックスから出ている「はじめての機械学習」の著者でもあるのですね。それなら、今の科学者がどのようにして生成AIを使用して研究しているのかを書いて欲しかったな。

そもそも、「科学者が中身が分からなくても生成AIを平然と使えるのはなぜ?」と疑問に思ったことがないので噛み合わなかったかも。

題名から、ニュートンが晩年錬金術に情熱を注いだみたいなトンデモ話のことが書かれているのかと思って買ったんだけれども、錬金術みたいなトンデモ話は出てこなかったです。

収穫としては、ガリレオとケプラーの話でしょうか。あとは、参考文献にも複数挙げられている山本義隆の著書群が気になりました。

関連サイト(外部サイト)
「トンデモと科学のあいだ」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-20
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#サイエンス
センスをみがく文章上達事典 新装版
センスをみがく文章上達事典 新装版
センスをみがく文章上達事典 新装版
文章術
著者
中村 明
発売日
2016年12月9日

多くの文章術の著書がある中村明氏の文章観のエッセンスを一望できる一冊である。

本書の構成は基礎編、応用編、実践編の三つに分かれる。第Ⅰ部「書く」では、相手に正しく伝わる文章を書くための基礎的な技術について書かれている。第Ⅱ部「練る」では、「表現をゆたかに」とあるように小説などでの表現技法について解説されている。第Ⅲ部「研く」では、「文体をしなやかに」とあるように自己のスタイルを確立するまでや、文章の深みといった点について書かれている。

全体として、プロの実例をもとに解説していく流れになる。よりよい文章を書きたい人にもおすすめだが、実例にもある小説についての読み方の視点も変わっていきそうだ。

「センスをみがく」ということは、多く良い文章に触れていくことなのだろう。
本書の見出しをみるだけでもためになりそう。

書く - 文章をはっきりと

  • 句読点のルール - 打つも打たぬも思いやり
  • 記号類の活用 - 使いすぎは品格をおとす
  • 漢字・ひらがな・カタカナの使い分け - 文字に思想をこめて
  • 漢字の書き分け - ニュアンスを書き分ける
  • ことばの選択 - 三方向から一語にしぼる
  • 和語と漢語 - 硬軟おりまぜて
  • 擬声語・擬態語 - 感覚の新鮮さがいのち
  • 修飾語を効果的に - 適量のさじ加減
  • 並列 - 両輪をバランスよく
  • 語順と表現意図 - 繰り出し方で感じが変わる
  • 文末表現 - 足もとのおしゃれ
  • 文構造と文の筋 - 述語は忘れないうちに
  • 文の長さ - 手を抜くと文が長くなる
  • わかりやすい表現 - 読まれなければ始まらない
  • あいまいな表現 - 誤解の芽を摘む
  • 文と文との接続 - 関係は書き手がつくる
  • 段落づくり - 迷ったら改行する
  • 引用を明記する - 借用証書のすすめ
  • 敬語表現 - 形式よりも気持ちが問題
  • 読者への配慮 - いやいや読む人の身になって
  • 執筆態度を明確に - 情報を鼓動とともに
  • 構想と展開 - 調理の腕で素材が生きる
  • 文章の調子 - こなれがいいほど心になじむ
  • 推敲 - 見知らぬ読者になりすます

練る - 表現をゆたかに

  • 情報待機 - サスペンスをつくりだす
  • 漸層・漸降 - 上りと下りは勢いが違う
  • 倒置表現 - 計画的に取り乱す
  • 反復法 - 畳みかけて弾みをつける
  • 尻取り文 - 展開は鎖のように
  • リズムのある文章 - 軽くステップを踏んで
  • 対句表現 - 形式美はシンメトリックから
  • 挙例法 - 理屈より実感
  • 列挙法 - ことばの洪水で圧倒
  • 省略法 - 沈黙がものをいう
  • 名詞止め - ことばを置き去りにして
  • 否定表現 - 打ち消すのもレトリック
  • 婉曲表現 - 身もふたもある
  • 反語表現 - ばれるように嘘をつく
  • 比喩表現 - 心の風景をのぞかせる
  • 擬人法 - 万物と語らう
  • 洒落 - ことばで遊ぶ
  • パロディー - 二重映しの愉しみ
  • 現写法 - 臨場感を高める
  • 誇張表現 - 望遠レンズで迫力を
  • 逆説 - 常識を逆なでする

研く - 文体をしなやかに

  • 語感 - ことばのにをいを嗅ぎ分ける
  • 書き出し - もう読まずにはいられない
  • 結び - ギュッと締めて、フワッと放す
  • 書き手の視点 - カメラワークを意のままに
  • 人物描写 - のこのこ歩き出す
  • 心理描写 - 心のひだを映し出す
  • 感覚描写 - イメージに限りなく近づける
  • 自然描写 - 風景に体温を添えて
  • 表現の深さ - ことばに奥行きを感じるとき
  • 表現の間 - 息づかいが聞こえる
  • 余韻・余情 - 文章の奥へ、その先へ
  • ユーモア - 弱さや愚かしさをしみじみと笑う
  • スタイル - 譲れない文体の熟すまで
  • 文章の雰囲気 - 表現の奥に人のけはいを聴く
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公開日:2026-10-25
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#文章術
日本語の作文技術
日本語の作文技術
日本語の作文技術
文章術
著者
本多 勝一
発売日
2015年12月6日

1982年に刊行された文章術の名著となります。

この本は、小説などの物語を書くためではなく、「事実的」「実用的」な文章を分かりやすく書くための本になります。悪い文章の例を提示しながら、どの部分が読みづらくなっているのや、改善方法などが解説されています。

自分では良い文章だと思っていても、他人から見たら読みづらい文章になっていることがあるでしょう。著者自身も例外に漏れず、悪い文章の例として、自分の文章も提示されています。日本語の文章を分かりやすく書くことの難しさを感じます。

日本語は非論理的だと外国語を優遇する人たちを著者は批判します。そうではなく、日本語を使いこなせない「使い手自身」こそが非論理的なのであると主張されているのが印象的でした。

学校で習う日本語の文法は、明治以降の西洋の文法からの影響に築かれたものであるので、本来の日本語にそぐわない形で体系化された経緯があります。英語などの影響により、文章の最初に「主語」を書かなくてはいけない風潮がありますが、日本語には「主語」は存在せず、あるのは「主格」にすぎないとの論には、なるほどなと思いました。

文章術の本を読んでいくと、いかに分かりやすい日本語で書くことが難しいのかを感じます。読みやすいリズムかどうかは、朗読してみれば分かると本書にかかれていたので、こうしたブログを書く際に実践してより多く文章を書いていきたいです。

関連サイト(外部サイト)
「日本語の作文技術」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-17
Tags:
#文章術
現代メディア史 新版
現代メディア史 新版
現代メディア史 新版
メディア
著者
佐藤 卓己
発売日
2018年11月27日

本書の初版は1998年に刊行されたが、2018年に新版として新たにインターネット後の時代も追記された。

ジャーナリズム論は、「その内容は真か疑か」を問うが、メディア論は「その影響力は大か小か」を問う。メディア論においては、内容の真偽は影響力の大小ほどに重要ではないと、序盤に著者は言う。

著者の専門であるドイツ史をはじめ、イギリス、アメリカ、日本のメディアによる影響力を時系列的に比較して論じるのが本書である。

各章は次のようになる。

  • メディア史としてのコミュニケーション研究
  • メディア都市の成立
  • 出版資本主義と近代精神
  • 大衆新聞の成立
  • 視覚人間の「国民化」
  • 宣伝のシステム化と動員のメディア
  • ラジオとファシスト的公共性
  • トーキー映画と総力戦体制
  • テレビによるシステム統合
  • 情報化の未来史

各種参考文献も豊富なので、気になった章については、そこからさらに深く学ぶことができるでしょう。

関連サイト(外部サイト)
「現代メディア史 新版」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-18
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#メディア
メディア論の名著30
メディア論の名著30
メディア論の名著30
メディア
著者
佐藤 卓己
発売日
2020年11月6日

歴史学は現在から過去を解明し、メディア論は現在から未来を展望する

何をメディア論と呼ぶのか、選書の基準として3つ挙げています。

  • メディア論とは比較ミディウム論である。つまり、狭義な新聞論、テレビ論など個別ミディウムに関する書物は除く
  • メディア論とはメディア史である。つまり、純粋な理論研究、フィールド研究は除く
  • メディア論は長い射程の文明論である。つまり、選挙分析など短期的な調査研究は除く

この基準を元に章立てのキーワードとして、「大衆宣伝」「教養主義」「情報統制とシンボル操作」「メディアイベントと記憶 / 忘却」「公共空間と輿論 / 世論」「情報社会とデジタル文化」があります。

いわゆるガイド本といったタイトルになりますが、実体は著書自身の研究で役に立った書物を選出しており、研究遍歴を見ていくことになります。本の要約が知りたい人には不向きなのかもしれません。

また、今では手に入れるのが困難な書物もあります。本書刊行後に復刊された本もあるので、ちくま学芸文庫にはがんばってもらいたいですね。

30冊の選書の最後には、「読んでいない本について堂々と語る方法」が紹介されています。メディア論の大家でもある著者ですが、すべての本を完璧に読んでいるわけではないことを知り、安心できますね。「読まなくてもいい。読むべき本は買っておきなさい」といったとことでしょうか。

関連サイト(外部サイト)
「メディア論の名著30」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-13
Tags:
#メディア
スリップの技法
スリップの技法
スリップの技法
本屋
ビジネス
著者
久禮 亮太
発売日
2017年10月30日

本屋に行く楽しみが増える一冊。

再販維持制度があるので、どの新刊書店に行っても、本の値段は一緒である。また本屋は仕入れた本を返品できたりするので、どの本を仕入れるかが、その本屋の独自性になる。

本書は、新刊書店の書籍に挟まっている細長い紙切れであるスリップの活用方法を書店員に向けて書かれている。書店員のために書かれた本ではあるが、そうでない人にも書店員の仕事が分かり楽しく読むことができるだろう。

本にはその本とつながりが作れる関連書籍が多数あるだろう。書店ではそれをたとえ違うジャンルであろうが、隣に並べたり、平台に載せて販売している。そうした関連書籍の作り方を、売れた本であることが分かるスリップから考えていく。

本屋の仕事の忙しさも読んで感じた。著者は、あまり本を読んではいないというが、関連書籍をつなげる豊富な知識に驚かされる。「読んでいない本について堂々と語る方法」に本の内容を読んでいないが全体を把握している司書の話が出てくるが、書店員も同じように、その本の文脈や全体像、分類を把握して本を売っているのだろう。

返品制度があるから、仕入れた本をすべて売り切るという発想ではないのだなと知った。ついでに手に取られた本が書店を維持するのに大切なのだ。

自分もいろんな新刊書店に行ってみて、書店員がすすめる「ついでの本」を買っていきたい。そんな風に感じた読書体験でした。本屋に行くことが好きな人におすすめです。

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公開日:2026-10-12
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#本屋
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