【月報】2026/10

【月報】2026/10

目次

美術館#

鴨居 玲 カメラが捉えた画家の素顔 - 笠間日動美術館#

鴨居 玲 カメラが捉えた画家の素顔 - 笠間日動美術館
鴨居 玲 カメラが捉えた画家の素顔 - 笠間日動美術館

笠間日動美術館には「鴨居の部屋」と呼ばれる展示室があり、鴨居玲の所蔵作品は多いです。鴨居と日動美術館との関係は、以前読んだ本「鴨居玲 死を見つめる男」に書かれています。

本展示会は、鴨居の最後のパートナーであった写真家の富山栄美子の写真と共に鴨居の作品を見ていきます。鴨居は飼い犬のことが好きだったみたく、じゃれあっている写真は微笑ましく思いました。また、海外流で家では靴を履いて生活をしていたとの記述も本にはありましたが、本当にそうだったんだと鴨居のエレガントな写真を見て思いました。

笠間日動美術館にこれほど多くの鴨居の作品があるのは驚きました。初めて見た作品としては、晩年に家の襖に描いたと思われる、自画像である首と首吊りの絵です。本当に病んでいる人が描いたんだと思わされる絵を、こうして美術館で外観を整えて展示されているのは、怖さを感じました。映っている写真からは、そんな苦悩も見いだせないのも相まって。

没後50年 髙島野十郎展 - 宇都宮美術館#

没後50年 髙島野十郎展 - 宇都宮美術館
没後50年 髙島野十郎展 - 宇都宮美術館

以前、日曜美術館で髙島野十郎の特集をやっていたのを見て、気になっていた画家で、今回、宇都宮美術館で観ることができました。初期はゴッホなどから影響を受けた画風でしたが、次第に自分の画風を手に入れていったのが印象に残りました。

光の表現が好きでした。「こぶしとリンゴ」という作品では、窓際に置かれた花瓶とリンゴが描かれていますが、窓からの光が柔らかい表現になっていて好きな作品です。

最後の暗い展示では、代表作である蝋燭の作品と月の作品が展示してありました。暗い背景も相まって光が輝いてみえ、展示方法の素晴らしさを感じました。

作品は個人蔵が多かったです。生前はあまり評価されていなかったとのことですが、たくさんの作品が今でも残っていて、こうして観ることができてよかったです。

本#

本棚の歴史#

「フォークの歯はなぜ四本になったか」の著者で知られるペドロスキーによる、普段注目されない本棚にフォーカスを当てた本書。本棚を語るには、本についての歴史を見ていく必要がある。古代には今のような形態の本は存在しておらず、巻物だった。それから冊子に変化して、昔は貴重だったので鎖をつけて固定されていた。

鎖がついているということは、今の形の本棚ではないことが分かるだろう。他にも昔は、本の背には題名や著者名がなかったことや、本を保管する図書館についての話も出てくる興味深い一冊でした。

炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火#

かつてアメリカ最大の図書館火事があった。放火犯として逮捕された俳優を夢見ていた青年は、本当に図書館に火をつけたのか。傷ついた本は救えるのか?

題名や装幀から上記の内容を想像するが、実際にはロサンゼルス中央図書館の火災の話は、全体の10%程度だった。というのも、放火犯として逮捕されたハリー・ピークは、火事の7年後に亡くなっており事件の真相は分からずじまいである。

ほかに何が書かれているかというと、ロサンゼルス中央図書館の歴史などが、短い章で書かれている。ページ数も多いし、読みづらかったが、アメリカにおける公共施設と日本の場合との違いが見て取れたことだけが良かったのかも。

本屋、はじめました#

荻窪にある新刊書店「Title」の店主である辻山さんの著書。リブロ時代の話から、独立して自分の店を持つまでの経緯が描かれています。独立するまでにあたり、何を考え、どのように行動してきたのかが具体的に書かれており、本屋以外の独立・起業を考えている人にも参考になる一冊です。辻山さんの誠実さが、店内にも流れているのだなと感じる一冊でした。

スリップの技法#

スリップとは、新刊書店で書籍に挟まっている細長い紙切れのことである。本書は書店員のために、このスリップを活用した本の仕入れについての考えたかが書かれている。書店員のためとあるが、そうでない人でも書店の裏側を知れる面白い一冊だ。どのような本を仕入れて並べるているのか。これを読むと新刊書店に行き、本を眺める楽しみが増えるだろう。

メディア論の名著30#

メディア論を勉強したいと思い、ガイド本としての本書を読んだ。実際は、著者の研究遍歴となっており、今は手に入るのが難しい文献も多く紹介されています。

メディア論といっても、色々な学派があるということでしょうか。まずは著者の佐藤卓己氏の著書を読んでみたいと思ったガイド本でした。

現代メディア史 新版#

「メディア論の名著30」と同じ著者によるメディア論の入門書である。メディア論において、内容の真偽よりも、メディアによる影響力を見ていくことの方が大事である。本書は、日本・アメリカ・ドイツ・イギリスにおける各種メディアの影響力を比較しながら論じている。

教科書的な横書きで書かれているので、手元においておくといいだろう。各種参考文献も豊富なので、気になった章については、そこからさらに深く学ぶことができるでしょう。

日本語の作文技術#

文章術の名著である本書は、「事実的」あるいは「実用的」な文章を書く方法が紹介され、分かりやすい文章を書きたい人にとって参考になる一冊です。主に句読点のうちかたや助詞の使い方が参考になりました。

センスをみがく文章上達事典 新装版#

こちらは、前半は分かりやすい文章を書くための基礎について書かれているが、後半は、小説などの文章表現について解説されています。どちらも例文を元に解説していく形になります。文学的な文章を書きたい人にはおすすめでしょうか。文章術の本を読むことで、小説の読み方も変わっていきそうと思いました。

トンデモと科学のあいだ#

我々は生成AIを普通に使っているが、その中身は分からないトンデモのような存在だ。翻って科学といったものは、中身をちゃんと理解して、問題を問いてきたのであろうか?

いや違う。本書では、今ではトンデモな概念がかつては主流の学説だったり、今では当たり前の概念がかつてはトンデモ扱いだったり、トンデモ仮説から正しい答えが導かれたり、こじつけの理由が実は正しかったり、結果も導出過程もトンデモなのに現実に合っていたり、挙げ句の果てはトンデモのほうが本質にして真実であったりする事例を紹介されている。

教科書に載らない物理学の悪戦苦闘の歴史を知ることができる一冊である。

レストランの誕生 ― パリと現代グルメ文化#

パリで生まれたレストラン。このレストランの誕生と、社会に受け入れられ、やがて社会を変える存在になるまでを膨大な資料から描き出した一冊である。イギリスではカフェ文化がありましたが、フランスのレストランは、カフェとどう違うのかを考える上でも参考になるでしょう。

レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方#

レタースペーシングとは、文字の間隔を視覚的に均等に見えるように調整する作業のことです。デザインにおいて、文字の詰め方で印象が大きく変化します。本書は、この文字詰めについての基本を分かりやすく解説されており、実際に自分の言葉でスペーシングについての考え方を持つことができ、「なんとなく」の文字詰めからの卒業が可能になるかと思いました。

文字詰めについて、それ1冊で書かれた本は少ないと思うので、興味のある方にはぜひ手に取ってほしい一冊です。

タタール人の砂漠#

映画#

トト・ザ・ヒーロー#

「昨日と同じ今」
この映画のキーワードとして、時間と炎が上げられるだろう。上記の発言は劇中に2回登場する。1回目は、母親の葬儀の帰り道の車で、自閉症の弟と話している場面。2回目は、姉の面影が映るエブリーヌと音楽仲間たちとの場面で、何か面白い話をと振られてからの発言だ。

人生というものは、火葬場で炎に焼かれ灰になって終わる。主人公トマの場合は、はじめに炎があった。彼の赤ん坊のころに産院での火事騒ぎがあった。向かいの裕福なカント家には同じ誕生日のアルフレッドという少年がおり、トマは自分は取り違えられたのだと思い込んでいる。

トマの父親は、カント家のために飛行機事故で亡くなる。姉アリスは、父の復讐のためにカント家を放火した際に、炎の中で命を落とすことになる。

映画の冒頭は、老年のトマがアルフレッドを憎んでいる場面から始まる。「なぜ、トマは幼なじみのアルフレッドを憎むようになったのか」映画は、少年時代、青年時代、そして老年時代の3つの時間軸を交錯して物語が進んでいく。

ほんの取り違えで、ありえたかもしれない出来事が頭の中では妄想できる。だが、映画という物語として固定されると、それは決定された出来事になるのだ。

音楽#

CHVRCHES - Good Girls#

今月はCHVRCHESばかり聴いていたかも。初期しか知らなかったけれど、この曲はMVも相まってすごく好きな曲でした。

syrup16g - セブンティーン#

syrop16gの新曲のMVがこの時代に見れるなんて。新譜も決して派手ではないけれど、シロップらしい曲ばかりで嬉しい。これから何度も聴いていくアルバムになりそうだ。

ART-SCHOOL - Tenement Angel / The Fragile Song#

まさかART-SCHOOLとsyrop16gの新作発表が同じ日になるなんてって、嬉しい気持ちになった2026年10月でした。

最初にART-SCHOOLの新曲を聴いたときは、さすがに声が限界か?と思ったけど、何回も聴いてるうちにすごく馴染んできて、ずっと頭の中で鳴っていました。

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美術館

生誕100年 安野光雅展 - 栃木市立美術館

生誕100年 安野光雅展

前半はアメリカ、ニューヨークなどの旅の絵本シリーズと切り絵が展示されており、後半は数学を活かした作品、不可能物体からなるアルファベットや反射する金属の棒から見ると正しく見える絵などが展示されていた。特に後半の展示作品にすごく惹かれた。おそらくエッシャーからの影響だろう作品を見て、自分も参考にして作品を作りたいと思った。

安野光雅さんのことをこの展覧会ではじめて知れたのが良かった。絵本などもたくさん出されているので、集めてみたい。まずはこの本から読みたいかな。

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公開日:2026-09-30
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【月報】2026/08 複雑系なシンクロ

美術館

ゲームと美術 信長の野望 - 栃木県立美術館

ゲームと美術 信長の野望 - 栃木県立美術館

自分が信長の野望をプレイしてないのと興味があまりないのが悪いのだけれども、かなり微妙な企画展だった。展示としてプレイ映像が多く、ゲーム開発の資料などが無かったので、美術館でやる意味を感じられなかった。インタラクティブな体験とあるが、最後にゲームがプレイできるだけであり、こちらもかなり微妙であった。

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公開日:2026-08-31
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【月報】2026/07 世界は鳴りひびく

美術館

プレイバック!ミレニアム1991→2001:版画が/版画で越えた境界 - 町田市立国際版画美術館

プレイバック!ミレニアム1991→2001:版画が/版画で越えた境界 - 町田市立国際版画美術館

町田の版画美術館で開催されていた展示会に行ってきた。以前開催された5つの展示会を振り返る構成。自分は版画などの複製技術が好きなのだが、その中でも、複数の材料/メディアの組み合わせだったり、コラージュの技法を使用された作品が好きだということを再認識した。

町田市立国際版画美術館には初めて行ったが、版画美術館って名称の割に企画展しか展示がなく、所蔵作品が観れる常設展示がないのは少し残念だった。

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公開日:2026-07-31
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#月報
【月報】2026/06 BOY MEETS GIRL

美術館

野見山暁治―空にあそぶイメージたち - 大川美術館

野見山暁治―空にあそぶイメージたち - 大川美術館

大川美術館にて野見山暁治の展覧会が開催されていたので行ってきました。氏が101歳のときに手掛けた、ポスターに載っている「当てにならない」という作品がよかった。

コレクション展の「ハイレッド・センターのアーティストたち」が一番印象に残った。ハイレッド・センターとは、高松次郎・赤瀬川原平・中西夏之の3名によって1963年に結成された集団。特に高松次郎「影 No248」の作品が、何も掛けられていないフックなので、板に鍵の影が写っている作品で面白い。中西夏之は、11月に茨城県近代美術館で展覧会があるので、そちらも行ってみたいと思った。

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公開日:2026-06-30
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【月報】2026/05 幾何学風景 モダンガール

美術館

森光子展 幾何学風景 ― 足利美術館

森光子展 幾何学風景

五角形や三角形などの幾何学的な形と鮮やかな色彩の組み合わせの作品が多く、とても参考になった。二次元のキャンバス上に描かれた作品だけでなく、立体物やネオン管での作品もあった。立体物では、影が出来る箇所に意図的に濃い色が塗られているのが、実際に近くで観て分かり面白かった。

美術館に行くといつも感じることですが、同じテーマで作品を作り続けるアーティストのすごさを感じる。自分は、興味があることがたくさんあり目移りしてしまうので、そろそろテーマを決めて向き合わなくてはいけないと思う。

まずは、自分も黄金比について探求してみて、模倣でもいいから幾何学的な作品を作り始めようと思った。

中原淳一展 - 栃木市立美術館

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公開日:2026-05-31
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【月報】2026/04 I Know!

美術館

コレクションの舞台裏 ―光をあてる、掘りおこす。収蔵品をめぐる7つの試み 埼玉県立近代美術館

コレクションの舞台裏 ― 埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館でのコレクション展を観に行きました。 今回の企画展では7つのテーマで展示されていたのですが、どれも素晴らしかったです。 特に印象的だったのは「②田中保、アトリエへの招待 ―パリの新発見資料から」と「④点を打つ ― 村上善男の美術と研究」でした。

②田中保、アトリエへの招待 ―パリの新発見資料から

田中保は埼玉県岩槻市出身で、18歳で渡米し、シアトルとパリで活躍した画家になります。 裸婦像が印象的でした。他の美術館で観る機会があまりないので、今回の展示で知り、観ることができてよかったです。

展示方法として印象的だったのは、抽象画です。この抽象画では、キャンパスの裏面に彼の妻にあてた詩が書かれており、展示でも裏面が見えるように展示されていました。これは図録の表紙にもなっています。

また、地下にあるMOMASコレクションでは、パウル・クレーの二重肖像が展示されており、これも表面と裏面に絵が描かれており、このような作品があるのだなと知ることができてよかったです。

④点を打つ ― 村上善男の美術と研究

村上善男は岩手県盛岡市出身で独自の東北の作家論や、気象図、釘打ちと呼ばれる絵画シリーズが代表にあります。

展示では「R系の気象」など気象図を元にした作品がよかったです。自分もWebGL作品で、気象をテーマにした作品を作りたいと思いました。また、展示では寄稿していた美術手帖があり、昔の美術手帖などの雑誌を集めたいと思いました。

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公開日:2026-04-30
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#月報
【月報】2026/03 トポロジーなる超無限

美術館

大西茂 写真と絵画 - 東京ステーションギャラリー

大西茂 写真と絵画 - 東京ステーションギャラリー

位相数学(トポロジー)を応用し、写真と絵画で独自の創造的な表現を探求した大西茂の展覧会を東京ステーションギャラリーで観ました。

大西が探求した「超無限」とは、あらゆるものが矛盾した状態で成立すること。写真によって本来現実にはありえない現象を可視化しようとしているのか、大西の写真の特徴として、多重露光・ソラリゼーションがある。また、現像した写真には筆による書のようなイメージが入っているが、これは偶然性を狙ってたとのことである。

ある意味現在のジェネラティブアートのランダム性みたいなことを、1950年代に写真で表現しているのが興味深かった。自分はマン・レイやダダイズムなどの写真史について詳しくないので、多重露光やフォントモンタージュの文脈について知りたいと思った。

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公開日:2026-03-31
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#月報
【月報】2026/02 風を映し出す方法

美術館

北條正庸 風の旅 - 宇都宮美術館

北條正庸 風の旅 - 宇都宮美術館

地元の宇都宮を拠点に活動している北條正庸の個展に行きました。 個人的に初期作品の、色彩の階層のグラデで奥行きを表現している作品だったりが好きでした。風をテーマにしていることもあって、雲の白が引き伸ばされていたり、自転車に乗っている少女の作品では、モーションブラーの効果を絵で表現すると、ただのブラーではない絵の具の擦りや滲みのような技法になっていて勉強になりました。

作家の作業机の展示もありました。後期はグリッドを意識した作品が多く、机にもそのグリッドが描かれていたり、モンドリアンの影響からか、モンドリアンの書物などが沢山置かれていました。印象的だったのは、乗り物の模型(電車、飛行機)です。電車の模型自体は、展示されていた作品に描かれてはいませんでしたが、作業机に置いてあるのが、遊び心がありいいなと思いました。

作業机の書物の中にもあったのと、北條さんおすすめの本として以下の本が売店にあって購入したので読むのが楽しみです。

<AmazonLink imageId="81exLSRKU+L.SY522" linkId="4azBHCn" title="喫茶店文学傑作選" author="林 哲夫" />

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公開日:2026-02-28
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#月報
【月報】2026/01 うみだした物象から、ぼくはなにいろか。どうかんじるか。

美術館

ファッションとアートの幸福な関係 - 笠間日動美術館

ファッションとアートの幸福な関係 - 笠間日動美術館

笠間日動美術館は好きな美術館でよく行きます。今回の企画展は笠間日動美術館所蔵の中から女性たちのファッションの変遷に着目した作品が何点か展示されていました。副社長の長谷川智恵子の肖像画が 7~8 点くらいありました。

ポスターの松樹路人「ベネチアン・グリーン」が印象深かった。グリーンのドレスが透けて見えるような描写と、青リンゴが印象的。

笠間日動美術館には、鴨居玲の展示が一室あり、気になっていて本も購入したので読むのが楽しみ。2 月から石川県立美術館で没後 40 年の企画展があるけれど気になる。3 月くらいに雪が積もっていなければ行ってみたいな。

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公開日:2026-01-30
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#月報
【月報】2025/12 建築に興味をもつ

美術館

磯崎新 群島としての建築 - 水戸芸術館

引用:水戸芸術館

水戸芸術館で磯崎新の回顧展を観ました。自分は以前茨城県に住んでいたのですが、恥ずかしながら水戸芸術館を設計者である磯崎新さんのことを今回初めて知ることができました。

回顧展として半世紀以上に渡るキャリアを、建築模型や図面、映像などを用いて紹介されています。自分が好きだったのは、シルクスクリーンとして遺した「還元」シリーズです。

引用:https://www.misashin.com/news/isozaki-arata-art-tower-mito/

水戸芸術館の塔は水戸市内でも特徴がある建物ですが、三角形ですべてできていることに今回はじめて気づくことができました。

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公開日:2025-12-31
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#月報
【月報】2025/11 はじめて美術館のシンポジウムにいってみる

せっかく雑記ブログを作ったので、今月から月報をつけていくことにしました。毎年、1 年が短く感じてしまうので、あとからも振り返られるようにしたいとの思いもあります。

美術館

今月は美術館に 2 回行きました。

絵本のひみつ展 - 栃木県立美術館

絵本のひみつ展 - 栃木県立美術館

絵本のひみつ展では、宮城県美術館の絵本原画コレクションが展示されてる企画展でした。 今まで絵本に興味は持っていなかったのですが、はじめて原画で見て、さまざまな画材や技法の質感を目にして、絵本作家に対して興味を持つことができました。

この展示で気になった作家

  • 林明子
    • 「いってらっしゃーいいってきまーす」
  • 矢吹申彦
    • 「きょうりゅうがすわっていた」
  • 太田大八
    • 「だいちゃんとうみ」
  • 山本忠敬
  • 長新太
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公開日:2025-11-30
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#月報
読んだ本リスト
レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化
レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化
レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化
文化論
人文・思想・社会
著者
レベッカ・L・スパング
発売日
2021年10月10日

レストランが食べる場所を意味するようになるまでは、数世紀にわたって、レストランといえば食べる物、すなわち元気を回復させるだし汁のことであった

本書では、小さなカップ一杯のブイヨンから、現代の意味での場所としてのレストランが出現する過程を辿っていきます。

初期のレストランが食を提供したのは、食欲を失い疲れ果てた口と虚弱な胸に悩む衰弱した者たちに対してでした。その起源から見ても、レストランは必ずしも豪華な食事とは無縁だったことが知れます。

しばしばレストランはフランス革命により貴族などに雇われていたシェフが開業したとの言説がありますが、革命前から自分の事業に身を投じているのでその言説は間違いであると著者は述べます。こうした飽食の時代としてのレストランではなく、本書では空間・場所としてのレストランを見ていくことができるでしょう。

ヨーロッパの食文化としては、イギリスではカフェがありますが、パリのレストランの文化とは何でしょう。レストランをすでに存在していた他の公共食堂の類と区別していたのは、ブイヨンとライスクリームの載ったメニューであったと同時に、そのサービス様式であったといいます。例えば、定食用のテーブルであったり、密会の場にもなった個室、料理のメニューのリストの必要性などです。

メニューの存在により、レストランは初めて、実際に料理を分け合うことなく他人と食事をともにすることを可能にしました。カフェの客は新聞を読み、身の回りの世界について考えますが、レストランの顧客はメニューを読み、自分自身の体調を考えたのでした。

本書を読むことで、「レストラン」という概念を違った視点で見ていくことができるでしょう。著者自身が述べているように「レストランについて本を書くとは、ほとんどすべてについて本を書くようなもの」なのだから。

関連サイト(外部サイト)
「レストランの誕生 ――パリと現代グルメ文化」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-30
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#文化論
#人文・思想・社会
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方
フォント
デザイン
著者
今市達也
発売日
2021年7月20日

意外にも類書がないレタースペーシングについて書かれた本。

レタースペーシングとは、文字の間隔を視覚的に均等に見えるように調整する作業のことです。デザインにおいて、文字の詰め方で読みやすさや見た目の印象が大きく変化します。デザイン初学者にとっては、文字間を意識することは少ないかと思われますが、プロのデザイナーにとっては、この文字間に常に気を配って文字組みを行っています。

そもそものレタースペーシングの歴史では、金属活字の時代では、正方形に収められている活字の影響で活字同士がぶつかって文字詰めをすることが技術的にできませんでした。しかし、写植に以降したことで文字が詰められるようになります。その時代(1960年代)以降の日本の雑誌では、見出しの字間を極端に狭くするレタースペーシングが流行していたみたいです。

このことを踏まえると、時代や技術が変化すると文字の組み方が変わり、それに合わせてスペーシングに対する価値観も変わっていくと著者は述べます。また、和文と欧文でも文字の形状やボディ、ベースラインの考え方が違うでしょう。本書のようなレタースペーシングについての入門書を読むことで、文字に対しての基礎知識を得ることで、なぜそのスペーシングなのかを感覚ではなく言語化して説明できるようになり、「なんとなく」からの卒業ができそうです。

本書の最後では実際のロゴタイプを例にとり、なぜそのスペーシングなのか解説してくれます。ロゴタイプは企業としても大事なものであり、目にする機会も多いため、そのスペーシングに対しての考察は勉強になります。例えば、商品パッケージで縦組みと横組みのロゴタイプがある場合は、それぞれで文字の形を微妙に変化させスペーシングを調整しているなど、すごいなと思いました。

今まで文字組みをなんとなく行っていた方が読むと勉強になるので、おすすめの一冊となります。

関連サイト(外部サイト)
「レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-29
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#フォント
#デザイン
トンデモと科学のあいだ
トンデモと科学のあいだ
トンデモと科学のあいだ
サイエンス
著者
田口 善弘
発売日
2026年9月9日

科学・物理学の世界では、中身や理由が分かっていない、かつてはトンデモな扱いだったものが、今では主流になったりする。

生成AIはどうだろう。科学者も中身が分かっていないながらも使用しているという。科学の歴史がそうであったように、恐れずに生成AIを使用していこうというのが主張か。

正直、科学のトンデモな概念の歴史と、生成AIとの議論がつながってなくない?となり、あまり話が入ってこなかった。

生成AIがどのようにして答えを出力しているのかを著者は知っているのかと、書きぶりから心配したが、ブルーバックスから出ている「はじめての機械学習」の著者でもあるのですね。それなら、今の科学者がどのようにして生成AIを使用して研究しているのかを書いて欲しかったな。

そもそも、「科学者が中身が分からなくても生成AIを平然と使えるのはなぜ?」と疑問に思ったことがないので噛み合わなかったかも。

題名から、ニュートンが晩年錬金術に情熱を注いだみたいなトンデモ話のことが書かれているのかと思って買ったんだけれども、錬金術みたいなトンデモ話は出てこなかったです。

収穫としては、ガリレオとケプラーの話でしょうか。あとは、参考文献にも複数挙げられている山本義隆の著書群が気になりました。

関連サイト(外部サイト)
「トンデモと科学のあいだ」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-20
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#サイエンス
センスをみがく文章上達事典 新装版
センスをみがく文章上達事典 新装版
センスをみがく文章上達事典 新装版
文章術
著者
中村 明
発売日
2016年12月9日

多くの文章術の著書がある中村明氏の文章観のエッセンスを一望できる一冊である。

本書の構成は基礎編、応用編、実践編の三つに分かれる。第Ⅰ部「書く」では、相手に正しく伝わる文章を書くための基礎的な技術について書かれている。第Ⅱ部「練る」では、「表現をゆたかに」とあるように小説などでの表現技法について解説されている。第Ⅲ部「研く」では、「文体をしなやかに」とあるように自己のスタイルを確立するまでや、文章の深みといった点について書かれている。

全体として、プロの実例をもとに解説していく流れになる。よりよい文章を書きたい人にもおすすめだが、実例にもある小説についての読み方の視点も変わっていきそうだ。

「センスをみがく」ということは、多く良い文章に触れていくことなのだろう。
本書の見出しをみるだけでもためになりそう。

書く - 文章をはっきりと

  • 句読点のルール - 打つも打たぬも思いやり
  • 記号類の活用 - 使いすぎは品格をおとす
  • 漢字・ひらがな・カタカナの使い分け - 文字に思想をこめて
  • 漢字の書き分け - ニュアンスを書き分ける
  • ことばの選択 - 三方向から一語にしぼる
  • 和語と漢語 - 硬軟おりまぜて
  • 擬声語・擬態語 - 感覚の新鮮さがいのち
  • 修飾語を効果的に - 適量のさじ加減
  • 並列 - 両輪をバランスよく
  • 語順と表現意図 - 繰り出し方で感じが変わる
  • 文末表現 - 足もとのおしゃれ
  • 文構造と文の筋 - 述語は忘れないうちに
  • 文の長さ - 手を抜くと文が長くなる
  • わかりやすい表現 - 読まれなければ始まらない
  • あいまいな表現 - 誤解の芽を摘む
  • 文と文との接続 - 関係は書き手がつくる
  • 段落づくり - 迷ったら改行する
  • 引用を明記する - 借用証書のすすめ
  • 敬語表現 - 形式よりも気持ちが問題
  • 読者への配慮 - いやいや読む人の身になって
  • 執筆態度を明確に - 情報を鼓動とともに
  • 構想と展開 - 調理の腕で素材が生きる
  • 文章の調子 - こなれがいいほど心になじむ
  • 推敲 - 見知らぬ読者になりすます

練る - 表現をゆたかに

  • 情報待機 - サスペンスをつくりだす
  • 漸層・漸降 - 上りと下りは勢いが違う
  • 倒置表現 - 計画的に取り乱す
  • 反復法 - 畳みかけて弾みをつける
  • 尻取り文 - 展開は鎖のように
  • リズムのある文章 - 軽くステップを踏んで
  • 対句表現 - 形式美はシンメトリックから
  • 挙例法 - 理屈より実感
  • 列挙法 - ことばの洪水で圧倒
  • 省略法 - 沈黙がものをいう
  • 名詞止め - ことばを置き去りにして
  • 否定表現 - 打ち消すのもレトリック
  • 婉曲表現 - 身もふたもある
  • 反語表現 - ばれるように嘘をつく
  • 比喩表現 - 心の風景をのぞかせる
  • 擬人法 - 万物と語らう
  • 洒落 - ことばで遊ぶ
  • パロディー - 二重映しの愉しみ
  • 現写法 - 臨場感を高める
  • 誇張表現 - 望遠レンズで迫力を
  • 逆説 - 常識を逆なでする

研く - 文体をしなやかに

  • 語感 - ことばのにをいを嗅ぎ分ける
  • 書き出し - もう読まずにはいられない
  • 結び - ギュッと締めて、フワッと放す
  • 書き手の視点 - カメラワークを意のままに
  • 人物描写 - のこのこ歩き出す
  • 心理描写 - 心のひだを映し出す
  • 感覚描写 - イメージに限りなく近づける
  • 自然描写 - 風景に体温を添えて
  • 表現の深さ - ことばに奥行きを感じるとき
  • 表現の間 - 息づかいが聞こえる
  • 余韻・余情 - 文章の奥へ、その先へ
  • ユーモア - 弱さや愚かしさをしみじみと笑う
  • スタイル - 譲れない文体の熟すまで
  • 文章の雰囲気 - 表現の奥に人のけはいを聴く
Meta Data
公開日:2026-10-25
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#文章術
日本語の作文技術
日本語の作文技術
日本語の作文技術
文章術
著者
本多 勝一
発売日
2015年12月6日

1982年に刊行された文章術の名著となります。

この本は、小説などの物語を書くためではなく、「事実的」「実用的」な文章を分かりやすく書くための本になります。悪い文章の例を提示しながら、どの部分が読みづらくなっているのや、改善方法などが解説されています。

自分では良い文章だと思っていても、他人から見たら読みづらい文章になっていることがあるでしょう。著者自身も例外に漏れず、悪い文章の例として、自分の文章も提示されています。日本語の文章を分かりやすく書くことの難しさを感じます。

日本語は非論理的だと外国語を優遇する人たちを著者は批判します。そうではなく、日本語を使いこなせない「使い手自身」こそが非論理的なのであると主張されているのが印象的でした。

学校で習う日本語の文法は、明治以降の西洋の文法からの影響に築かれたものであるので、本来の日本語にそぐわない形で体系化された経緯があります。英語などの影響により、文章の最初に「主語」を書かなくてはいけない風潮がありますが、日本語には「主語」は存在せず、あるのは「主格」にすぎないとの論には、なるほどなと思いました。

文章術の本を読んでいくと、いかに分かりやすい日本語で書くことが難しいのかを感じます。読みやすいリズムかどうかは、朗読してみれば分かると本書にかかれていたので、こうしたブログを書く際に実践してより多く文章を書いていきたいです。

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「日本語の作文技術」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-17
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#文章術
現代メディア史 新版
現代メディア史 新版
現代メディア史 新版
メディア
著者
佐藤 卓己
発売日
2018年11月27日

本書の初版は1998年に刊行されたが、2018年に新版として新たにインターネット後の時代も追記された。

ジャーナリズム論は、「その内容は真か疑か」を問うが、メディア論は「その影響力は大か小か」を問う。メディア論においては、内容の真偽は影響力の大小ほどに重要ではないと、序盤に著者は言う。

著者の専門であるドイツ史をはじめ、イギリス、アメリカ、日本のメディアによる影響力を時系列的に比較して論じるのが本書である。

各章は次のようになる。

  • メディア史としてのコミュニケーション研究
  • メディア都市の成立
  • 出版資本主義と近代精神
  • 大衆新聞の成立
  • 視覚人間の「国民化」
  • 宣伝のシステム化と動員のメディア
  • ラジオとファシスト的公共性
  • トーキー映画と総力戦体制
  • テレビによるシステム統合
  • 情報化の未来史

各種参考文献も豊富なので、気になった章については、そこからさらに深く学ぶことができるでしょう。

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「現代メディア史 新版」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-18
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#メディア
メディア論の名著30
メディア論の名著30
メディア論の名著30
メディア
著者
佐藤 卓己
発売日
2020年11月6日

歴史学は現在から過去を解明し、メディア論は現在から未来を展望する

何をメディア論と呼ぶのか、選書の基準として3つ挙げています。

  • メディア論とは比較ミディウム論である。つまり、狭義な新聞論、テレビ論など個別ミディウムに関する書物は除く
  • メディア論とはメディア史である。つまり、純粋な理論研究、フィールド研究は除く
  • メディア論は長い射程の文明論である。つまり、選挙分析など短期的な調査研究は除く

この基準を元に章立てのキーワードとして、「大衆宣伝」「教養主義」「情報統制とシンボル操作」「メディアイベントと記憶 / 忘却」「公共空間と輿論 / 世論」「情報社会とデジタル文化」があります。

いわゆるガイド本といったタイトルになりますが、実体は著書自身の研究で役に立った書物を選出しており、研究遍歴を見ていくことになります。本の要約が知りたい人には不向きなのかもしれません。

また、今では手に入れるのが困難な書物もあります。本書刊行後に復刊された本もあるので、ちくま学芸文庫にはがんばってもらいたいですね。

30冊の選書の最後には、「読んでいない本について堂々と語る方法」が紹介されています。メディア論の大家でもある著者ですが、すべての本を完璧に読んでいるわけではないことを知り、安心できますね。「読まなくてもいい。読むべき本は買っておきなさい」といったとことでしょうか。

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「メディア論の名著30」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-13
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#メディア
スリップの技法
スリップの技法
スリップの技法
本屋
ビジネス
著者
久禮 亮太
発売日
2017年10月30日

本屋に行く楽しみが増える一冊。

再販維持制度があるので、どの新刊書店に行っても、本の値段は一緒である。また本屋は仕入れた本を返品できたりするので、どの本を仕入れるかが、その本屋の独自性になる。

本書は、新刊書店の書籍に挟まっている細長い紙切れであるスリップの活用方法を書店員に向けて書かれている。書店員のために書かれた本ではあるが、そうでない人にも書店員の仕事が分かり楽しく読むことができるだろう。

本にはその本とつながりが作れる関連書籍が多数あるだろう。書店ではそれをたとえ違うジャンルであろうが、隣に並べたり、平台に載せて販売している。そうした関連書籍の作り方を、売れた本であることが分かるスリップから考えていく。

本屋の仕事の忙しさも読んで感じた。著者は、あまり本を読んではいないというが、関連書籍をつなげる豊富な知識に驚かされる。「読んでいない本について堂々と語る方法」に本の内容を読んでいないが全体を把握している司書の話が出てくるが、書店員も同じように、その本の文脈や全体像、分類を把握して本を売っているのだろう。

返品制度があるから、仕入れた本をすべて売り切るという発想ではないのだなと知った。ついでに手に取られた本が書店を維持するのに大切なのだ。

自分もいろんな新刊書店に行ってみて、書店員がすすめる「ついでの本」を買っていきたい。そんな風に感じた読書体験でした。本屋に行くことが好きな人におすすめです。

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公開日:2026-10-12
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#本屋
#ビジネス
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
人文・思想・社会
著者
スーザン・オーリアン
発売日
2019年11月18日

1986年にアメリカ史上最悪の図書館火災があった。その場所は、ロサンゼルス中央図書館である。放火犯として疑われた青年は、俳優志望で虚言癖のある男である。彼の供述は二転三転するが、証拠不十分で刑事告発は見送られるし、火事から7年後に亡くなってしまうので、この火事の真相は分からずじまいである。

真相が分からない事件なので、書くことも少ないのであろう。ページ数が多いが、残りはこの図書館の歴史や、歴代の図書館司書などが短い章で書かれていて、非常に読みづらかった。

図書館そのものの話としては、公共性としての図書館の役割がアメリカと日本で違うのが印象的だった。ロサンゼルスではホームレスの人が多いらしい。図書館はその人たちにも無料で居場所を提供できる唯一の場所とのことだ。

燃えた後の本の扱いにも驚いた。なんと冷凍で保管するらしい。というのも濡れた本はカビが生えてしまうからだ。この冷凍庫の貸し出しに協力する企業の話も出てくる。町にとって図書館は大切な場所なのだろう。

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「炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火」の参考文献一覧

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公開日:2026-10-07
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#人文・思想・社会
本屋、はじめました 増補版
本屋、はじめました 増補版
本屋、はじめました 増補版
本屋
著者
辻山 良雄
発売日
2020年1月9日

荻窪にある新刊書店「Title」の店主である辻山さんの著書です。
辻山さんは、Titleを開業する前にリブロという書店で働いていました。
前半ではリブロで働いていたなかで気づいたことを、後半ではなぜ新刊書店を開いたのかが語られます。

新刊書店を開く前に行う準備のことなどが、赤裸々に描かれており、新しく独立系の本屋を開きたい人に参考になる内容も多いかと思います。店の場所の選び方や、ロゴ、ブックカバーなどについての記載があります。

文庫版の増補では、単行本発行から五年が経過したその後のTitleのことが書かれています。売上や利益のことについても書かれてある。

印象的だったのが、人とのつながりのことだ。
小さなお店をやることは地域の人びととの結びつけが大切なのだろう。

新たに本屋をやりたい人も、小商いを始めたい人も、本屋のことが好きな人も参考になる1冊だと思います。

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公開日:2026-10-06
Tags:
#本屋
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